議会運営委員会視察① 〜長野県飯綱町議会〜

ブログ 敦賀市議会

議会(議員)が行う「行政視察」とは、自らの議会(あるいは自治体)が抱える課題の解決に寄与する対応をしている、または注目されている先進的な議会(同)の取組みを学び、今後の活動に活かすため行うものですが、敦賀市議会では昨日より、議会運営委員会による行政視察を行っています。
※副議長の私は、先の6月定例会にて本視察への議員派遣を決定いただき同行
 
今回のテーマはズバリ「議会改革」。
 
3日間行程の初日は、長野県飯綱町議会にお伺いし、「政策提言サポーター制度」や「議会報モニター制度」をはじめ、同議会が先進的に取り組んでいる内容を学んでまいりました。
 
北陸新幹線が停車する長野市から電車で20分ほどの位置にある飯綱町は、観光と農業のまちであり、全国の1%、長野県の18%のシェアを誇るリンゴの産地として有名ですが、平成17年に牟礼村と三水村が合併した際、約13,500人であった人口は現在約10,500人まで減っており、全国の地方都市と同じく、人口減少対策がまちの一番の課題とのこと。
 

【飯綱町役場 正面玄関の様子(写真右は原田幸長副議長)】
 
同議会においては、合併後に基幹産業でもあるスキー場(第3セクター)の経営破綻により、8億円もの負債を抱え倒産するという「事件」があり、その際の議会対応に対する町民からの不満の意見を踏まえ、議会改革に取組むこととなったとの切っ掛けを伺いました。
 
説明ではまず、契機となった事件も踏まえ、提案者である首長は「逃げられる」が、議決権者である議会(議員)は「逃げられない」との覚悟のもと、二元代表制の一翼を担う立場として徹底的に議論をし、議会がひとつ(チーム議会)になる必要があるとの根本的な考えをもって、様々な活動を進めているとの言葉がありました。
 
具体的な取組みに関しては、議会改革宣言8項目に、町長の反問権を認めること(質問の趣旨や背景を確認する範囲において)や議員同士の自由討論を活発化すること、「議会の見える化」に関しては、政策提言サポーターが現在300人近くになっており、議会の応援団になっていただけるよう取組んでいる。
 
「中学生議会」も開催したことがあるほか、「休日議会」や「夜間議会」については、傍聴者が少し増えたという効果はあるものの、職員の日曜出勤や残業が発生すること、議案の審議時間が短くなるなどのデメリットが大きいため、現在は実施していないとの説明がありました。
 
また、「議会報アンケート」(敦賀市議会でいう「議会だより」)に関しては、毎回100件以上の意見や質問あり。
 
大きな間違いや誤解がある場合は、次号の議会報で説明をしていること。
 
「予算政策要望書」では、当初120件、現在では60〜70件の項目を町側の予算策定前に要望するとともに、出して終わりではなく、翌年2月ごろに結果を確認する(「検討」の場合は検討状況まで示してもらう)ことまで行っており、フィードバックを大事にしているとありました。
 
変わったところでは、議会事務局の任命権に関してもお話しがあり、優秀な町職員の中にあっても、担当部署での部分的な視野から、議会に来れば町全体のことを広く理解できることにつながり、結果、町政にも良い影響を与えるとまで考えを及ぼし対応しているとあり、議会運営のみならず、ここまで考えているのかと納得した次第です。
 
なお、一般質問に関しては、「知らないことを聞く(本当の質問)場ではなく、分かっていることを提案型でやらないとダメ」、「政策で『善政競争』する議会へ」との言葉があり、全くもって共感した次第です。
 
説明に続く質問の場では、時間ギリギリまで積極的な質問があり、一層理解を深めた後、視察を終えましたが、青山弘議長、原田幸長副議長をはじめ、メインスピーカーを務めていただいた当議会における議会改革の経過を知る清水満・総務産業常任委員長、瀧野良枝・福祉文教常任委員長、石川信雄・議会報編集調査特別委員長、さらには議会事務局の皆様におかれましては、大変ご丁寧に対応いただき誠にありがとうございました。
 
ご教授いただいたことを持ち帰り、敦賀市議会の取組みに活かしてまいる所存です。
 
さて、視察2日目の今日は、2020、2021と「議会改革度調査」で全国1位、2022は2位と、3年連続で全国トップスリーにランクインしている茨城県取手市議会へ。
 
議会運営委員会の皆様とともに、しっかり学んでまいります。