政治資金規正法改正案(自民党提出)が「ザル法」のまま衆院を通過

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厚生労働省の人口動態統計(概数)が発表され、令和5年の合計特殊出生率は1.20と過去最低を更新。
 
合計特殊出生率とは、女性1人が生涯に産む子供の推定人数を示したものですが、人口の維持に必要な出生率は2.07とされ、それには程遠い状況であるとともに、低下は全都道府県に及び、東京都は1を下回り0.99の数字となっています。
 
こうした影響は言わずもがな、働き手の不足や過疎化のさらなる進展、税収減で地方財政が悪化すれば、行政サービスを十分提供するのは困難になることや、社会保障の負担、高度経済成長期に整備した道路や水道などのインフラの維持など、あらゆる範囲に波及するものであり、極めて深刻な事態であるのは論を待たない状況にあります。
 
児童手当や育児休業給付の拡充などを盛り込んだ「少子化対策関連法」が5日の参院本会議で可決、成立したものの、国民民主党の中では「結局、この国の問題は賃金だ」を意味する「けつもんちん」という言葉があります。
 
とりわけ少子化については、経済不安を抱え、結婚や子どもを産みたくてもためらう人は少なくないことからも、若年層の雇用の安定と所得の向上が急務であり、これを解決に向かわせることが政治の役割と強く認識するところです。
 
さて、こうしてただでさえ、我が国の将来不安に直面する現実に触れるところ、肝心な政治(ここでは国会を指す)に関しては、残念を通り越し、怒りめいたことを感じることが続いています。
 
ひとつは、昨日開催された衆院憲法審査会。
 
岸田首相が今年秋までの自民総裁任期中の改憲を目標に掲げて進めてきたと思いきや、当の自民党 浜田靖一国対委員長が政治資金規正法改正など法案成立を優先させるがため、早期の憲法改正に否定的な見解を示したことに対し、国民民主の玉木雄一郎氏は、与党筆頭幹事を務める中谷元氏(自民)に「憲法改正原案の国会提出にすら至らないのであれば総裁としての責任を問われる。(改憲の)発議なんて夢のまた夢だ」と詰め寄りました。
 
また、維新の会の小野泰輔氏も「公党の代表としての総裁の言葉はめちゃくちゃ重い。(目標断念ならば)首相は責任を取らなければいけない。それくらいのものだ」と強調し、首相の「責任」を問う声が相次ぎました。
 
いわゆる「言い出しっぺ」は自民党であり、スケジュール感に関してはこれまで散々、本審査会でも釘を刺されていたのに対しこれでは、責任論に発展するのも当然のこと。
 
国の根幹中の根幹に関わることだけに、この方針転換を甚だ遺憾に思う次第です。
 
もうひとつは、先に述べた「政治資金規正法改正案」を巡る対応。
 
昨日「自民党案」が、公明党、日本維新の会の賛成で衆議院を通過しましたが、この経過について、国民民主党 玉木代表が以下の怒りのXポスト。
 
(以下、代表のXポスト引用)
 
法案自体もザル法だが、本会議場の自民党議員たちの態度がひどかった。
 
自民党・公明党の議員が、パーティーの全面禁止法案を打ち出しながらパーティを開催しようとした立憲民主党の岡田幹事長らの対応を批判すると、自民党席からは笑いながらの拍手喝采。
 
人のことを笑える立場なのか。これだけの政治不信を起こしておきながら、多くの自民党議員に全く反省の色がない。ひど過ぎて怒りが込み上げてきた。
 
今の自民党に改革は期待できない。一方、野党第一党の立憲民主党も、パーティの全面禁止といったポピュリズムに走った非現実的な法案を出したばっかりに、足元を掬われる結果になった。
 
とにかく、この国会の有り様は恥ずかしく国民の皆さまに見せられる代物ではない。現実的で偏らない正直な政治を実現するためには、政界を再編するしかない。
 
こんな弛緩した国会では、日本は沈んでいく。
 
(引用終わり)
 
なお、本改正案の衆院通過にあたり、党としての公式談話(なぜ「ザル法」なのかを含む)が発表していますので、詳しくは以下ご覧ください。
 
→国民民主党「政治資金規正法改正案の衆院通過に当たって(談話)」はこちら
 

【国民民主党は5日、「政治資金規正法改正案」を参議院に提出。自民党案では不十分な「非公開・非課税の政治資金をなくす」といった観点に加え、連座制、パーティー規制、第三者機関の設置などを盛り込み、国民の信頼を取り戻すために必要な改正を訴えている。】
 
結びに、この法案の最中、5日には岸田首相が自民、公明両党に「シュークリーム」を届け、首相から届かなかった日本維新の会は、当て付けの如く、6日、立憲民主党など野党の国会内の部屋に同じく「シュークリーム」を差し入れたとのこと。
 
国会内では「お礼」合戦、「皮肉」合戦。
 
この国の「政治」は本当に大丈夫なのでしょうか。