2021年12月15日
北陸新幹線敦賀駅部、車両基地の建設現場を視察!
ちょうど1年前も敦賀市議会にて北陸新幹線整備状況に関する行政視察を行ったところですが、昨日は新幹線対策特別委員会の調査事項として再度現場を確認させていただきました。
思えば、1年前の定例会では5人の議員が一般質問で取り上げるほどクローズアップされていたのが、北陸新幹線敦賀開業の工期延期問題であり、当時視察をした際の雰囲気も鉄道・運輸機構の謝罪、議員からも強い批判の声が挙げられるなど、その日の悪天候とも重なり、非常に暗い雰囲気であったと記憶しています。
そうして1年前を思い返しながらの昨日の視察でしたが、一年遅れとなった工程に対して順調に工事を進めていること、そして雲ひとつない青空とあって、どこか清々しい気持ちで現場を拝見させていただいた次第です。
視察は新幹線対策特別委員、委員外の議員も含めて行われ、敦賀車両基地(仮称)、敦賀駅部の順に移動し、鉄道・運輸機構の各ご担当の方より説明を受けました。
車両基地に関しては、以前より順調に工事を進め、総合事務所や検査庫などがほぼ完成。
現場のほうは、12両(長さ300m)7編成の北陸新幹線を納める「着発収容庫」、2日に1回検査を行うための「仕業検査庫」(3編成収納)のうち、「仕業検査庫」側を確認。
車両を下側からも検査できる構成となっていることや白山総合車両所との違いなどについて説明がありました。
【仕業検査庫の内部全景。車両が浮くような形で収納される様子が分かります。】
【敦賀車両基地と白山総合車両所との検査範囲の比較】
また、敦賀駅部については、2階コンコース及び3階の新幹線ホームまでを拝見。
ちなみに、以前に書いたことの再掲となりますが、敦賀駅工区が難工事であることを示す比較として、例えば、工事の規模感に関して言えば、富山駅と比較し敦賀駅の高さ37mは1.5倍、阪神・淡路大震災、東日本大震災を踏まえ、設計上の強度を増した構造に関しては、鉄筋量が富山駅の3.3倍、コンクリート量は2.6倍、45m地下まで打ち込んでいる柱の太さは2.0m(富山駅は1.2m)。
また福井駅との比較においては、1面2線の福井駅に対し、敦賀駅は2面4線、高さは福井駅が19mに対し敦賀駅はほぼ倍の高さであることからも分かるよう建物の規模感が違うことに加え、物理的に狭隘な工事エリアとならざるを得ないということが理由として挙げられるところ。
その駅舎を上がると2階の乗換コンコースは200mにも及び、コンクリートの通路は壮大。
仮設置されていた上下線を表示する看板の「東京方面」の文字を見て、妙にテンションが上がった次第です。
【200mに及ぶコンコース】
【上り線の案内看板。イメージのための仮設置と思いますが、まんまとテンションが上がってしまいました。】
【コンコース階のパース図】
そしていよいよ3階新幹線ホーム。
まずは何と言っても長大なホーム、そしてそこからの素晴らしい眺め。
昨日は澄み渡る青空とあって、敦賀湾を望むと、北陸のハワイ「水島」がクッキリと浮かび上がるように見ることができました。
この冬場には大屋根を設置する工事を実施していくとのことでしたが、側面もガラスで覆うため、この美しい景観は開業後も見ることができるとのことでした。
【福井方面】
【車両基地方面】
【敦賀市街、敦賀湾方面】
【中央の海に浮かぶのが「水島」】
【ホーム階のパース図】
技術的な説明があまり無くて恐縮ですが、工程自体、現在のところ遅延なく進んでいることや、何より昨日対応いただいた各パートで対応いただいた責任者の皆さんの引き締まった表情、そして発せられる言葉からは鉄道・運輸機構の心意気、使命や責任感を強く感じた次第です。
約2年3ヶ月後に迫る敦賀開業に向けては、こうして現場の最前線で奮闘される皆さん、都市整備部を始め、懸命に周辺工事の調整を進める市の関係者の皆さんの存在があって成り立っていることから、議員である私の立場においては、進捗状況の把握はもとより、何よりも「安全を第一義」とした環境となっているかを確認しつつ、現場のご健闘を市民の皆さんにお伝えしていくことも肝要なのかと思います。
そうした意味で、本日は中々足を踏み入れることができない現場の写真を中心にご報告させていただきました。
これからの厳冬期も乗り越え、「ゼロ災害」で工事が完遂されることを強く願うとともに、この日感じた「ワクワク感」を市民の皆さんとも共有をし、開業に向けた機運を高めていければと思いますので、皆さまにおかれましても引き続きご注視いただけますよう宜しくお願いいたします。