「現実的な」原子力政策について検討を指示

ブログ 原子力

昨日は敦賀市議会の広報広聴委員会を開催。
 
以前より検討を続けている「議会広報の拡充」について、委員の皆さんの建設的な議論により、一定の結論を得ることができました。
 
常任委員会のインターネット公開などに関しては、実施に向けた課題認識をしつつ、有権者のご理解、議会改革にもつながるものであることから、今後、議会全体でも前向きに議論がされるよう努めていく所存です。
 
さて、本件に関し、私自身は、本委員会の委員長として、今議員任期中に答えを見出す思いで取り組んでいる訳ですが、程度の違いはあれど、同じく昨日、岸田首相が大きな判断をされました。
 
24日、総理大臣官邸で開催された第2回GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議では、日本のエネルギーの安定供給の再構築について議論が行われ、総理大臣公邸からオンラインで出席(コロナ療養中につき)された岸田首相は、今後の原子力発電の取扱いについて、明確な検討指示を出されました。 
 

【第2回GX会議の様子(首相官邸HPより)】
 
発言の趣旨を含め、正確を期すため、以下、首相官邸ホームページ掲載の当該部分を引用します。
 
【岸田首相の発言】
 
ロシアによるウクライナ侵略によって、世界のエネルギー事情が一変し、かつグローバルなエネルギー需給構造に大きな地殻変動が起こっている中で、我が国は今後の危機ケースも念頭に、足元の危機克服とGX推進をしっかり両立させていかなければなりません。
 
電力需給ひっ迫という足元の危機克服のため、今年の冬のみならず今後数年間を見据えてあらゆる施策を総動員し不測の事態にも備えて万全を期していきます。特に、原子力発電所については、再稼働済み10機の稼働確保に加え、設置許可済みの原子力発電所再稼働に向け、国が前面に立ってあらゆる対応を採ってまいります
 
GXを進める上でも、エネルギー政策の遅滞の解消は急務です。本日、再エネの導入拡大に向けて、思い切った系統整備の加速、定置用蓄電池の導入加速や洋上風力等電源の推進など、政治の決断が必要な項目が示されました。併せて、原子力についても、再稼働に向けた関係者の総力の結集、安全性の確保を大前提とした運転期間の延長など、既設原発の最大限の活用、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設など、今後の政治判断を必要とする項目が示されました
 
これらの中には、実現に時間を要するものも含まれますが、再エネや原子力はGXを進める上で不可欠な脱炭素エネルギーです。これらを将来にわたる選択肢として評価するための制度的な枠組、国民理解を更に深めるための関係者の尽力の在り方など、あらゆる方策について、年末に具体的な結論を出せるよう、与党や専門家の意見も踏まえ、検討を加速してください
 
以上が、首相の発言となります。
 
国が前面に出て、東海第二や柏崎刈羽6,7号などのプラントを再稼働させることは、厳しい東日本の電力需給改善に直結するほか、原子力発電所を保有する企業の投資予見性を高める(より安全性を高めるとの意)長期運転、さらには政府が昨年閣議決定した「第6次エネルギー基本計画」で一言も触れられなかった新規建設に踏み込んだことは大いに歓迎する次第であり、検討に留めることなく、これを明確に政策転換することで、確実な実用化を図っていただきたいと考えます。
 
とりわけ、次世代革新炉で区分されるのはどの範囲までかについては非常に関心が高まるところでありますが、首相の発言趣旨からすれば、私自身は当然、安全性を高めた改良型軽水炉を含むものと認識するところです。
 
いずれにしても、昨日は検討指示があったところであり、今後の各省庁、有識者の検討にあたっては、こちらも当然、原子力発電所立地地域の声を反映したものになると期待をし、そうなるよう自身も微力ながら尽力する所存です。