原子力小委員会が「原子力政策の論点」について議論開始

エネルギー ブログ 原子力

昨朝は、水曜日恒例の名子での辻立ちから。
 
発電所に向かう皆さんに対してはいつも、お手振り、アイコンタクトでご挨拶していますが、気持ちは「ご安全に」。
 
昨日は比較的過ごしやすい日であったものの、今は熱中症リスクが高い時期でもあり、安全第一の作業を願い、お見送りした次第です。
 
さて、昨日のブログでは6月定例会最終日に採択した議員提出議案「エネルギー基本計画見直しに対する意見書」の件をご紹介したところですが、ちょうど同じ日(6月25日)には、「総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会」(以下、原子力小委)の第39回会合が開催され、エネルギー基本計画改定への反映を見据えた、原子力政策の論点について議論を開始したとありました。
 
原子力を取り巻く世界の情勢に関しては、本年6月13〜15日にイタリア・プーリアで開催されたG7首脳会合で、ネット・ゼロへの移行及びエネルギー安全保障の改善における原子力の可能性を強調し、研究開発やサプライチェーン強靱化等に向けた協力方針を確認。
 
マイクロ炉を含む革新炉や小型モジュール炉のような革新的技術の研究開発を促進し、プロジェクト資金調達手段へのアクセス拡大を可能にするために協力し、セクター間の協力を支援することや、COP28期間中に発表された2050年までに世界の原子力発電能力を3倍にするとの世界的な宣言に留意すること。
 
さらには、最高水準の原子力の安全性とセキュリティが、全ての国とそれぞれの国⺠にとって重要であることを強調するとし、今後こうした考えに従い原子力発電の活用を進めるとしています。
 
そうした情勢のなか、25日の原子力小委では、資源エネルギー庁が原子力発電の再稼働や新増設・リプレースに加え、※核燃料サイクルなどのバックエンド分野も含めた幅広い現状について説明。
 
※本来、「原子燃料サイクル」と書きたいところですが、提出資料に沿い、「核燃料サイクル」と表現いたします
 
前回のエネルギー基本計画策定時からの国際情勢、電力需要見通しの変化などを踏まえ、次世代革新炉の開発・建設に向けた事業環境整備や国際的な燃料サプライチェーンの確立など、具体化が急がれる取り組みについて議論を深めたとありました。
 
具体的に、議題に挙げられたのは以下2点。
 
(1)原子力に関する動向と課題・論点について
(2)核燃料サイクルの確立に向けた取組と今後の検討事項について
 
さらに、(1)に関する資源エネルギー庁提出資料では、
 
1. エネルギーを巡る状況について
2.原子力政策を巡る動向
(1)国内における状況
(2)海外における状況
3.原子力の特⻑
4.原子力活用にあたっての前提
5.原子力活用に向けた環境整備
 
について説明。
 
1.では、今後、エネルギーを巡る様々な論点について、6月以降「GX2040リーダーズパネル(仮称)」を開催し、有識者から見解を聴取した上で、それを踏まえてGX2040ビジョンにつなげること、こうした議論も踏まえ、エネルギー基本計画・地球温暖化対策計画の見直しや、カーボンプライシングの制度設計につなげていくとあり。
 
「GX2040リーダーズパネル(仮称)」については、5月13日に開催された「第11回 GX実行会議」においても示されていますが、ここを起点として議論が展開されることに留意をしておかねばなりません。
 

【6月25日の「原子力小委員会」資料より抜粋】
 
また、5.では、原子力活用に向けた環境備に関する課題や論点などを挙げた上で、最終ページには、「昨年の原子力関係閣僚会議にて決定した『今後の原子力政策の方向性と行動指針』について、現在の情勢を踏まえ、今後、どの取組の具体化を特に加速していくべきか」とし、以下のようにまとめられていました。
 

【上記と同じ】
 
意見書にて求めた「エネルギー基本計画見直し」につながるこの議論。
 
「今後、どの取組の具体化を特に加速していくべきか」とありますが、「どの取組『も』具体化を加速」いただけるよう、前向きな議論を切に求める次第です。
 
 →(参考)6月25日の原子力小委関連資料はこちらをご覧ください