2024年7月6日
議会運営委員会視察③ 〜愛知県豊橋市議会〜
これで3日目となりますが、本日も自身の備忘録も兼ねて、行政視察のご報告。
視察最終日の昨日は、愛知県豊橋市議会にお伺いし、委員会のインターネット中継やオンライン開催、政務活動費の個人支給等について、説明いただきました。
東海道新幹線利用の際、何度も停車したことのある豊橋市ですが、実は訪れるのは初めて。
人口こそ約40万人と、6万3千人の敦賀とは比べものにならないものの、豊橋市の面積約262平方kmは、敦賀市の約251平方kmとほぼ同じで、東は弓張山系を境に静岡県と接し、南は太平洋、西は三河湾に面しており、豊かな自然と温暖な気候に恵まれているほか、天然の良港三河港を有し、16世紀の今橋城(のち吉田城と改称)建築以来、東三河の中心に台頭、江戸時代は東海道五十三次の吉田宿・二川宿があったまちであり、港と街道、そして歴史と自然豊富な点は、意外やどこか敦賀と似ていると感じた次第。
【すっくと立つ豊橋市役所。東三河の要衝を思わせる、どこか威厳を感じる建物でした。】
視察の方は冒頭、大変お忙しいなか伊藤篤哉議長にご挨拶を頂戴した後、議会事務局の皆様より説明いただき、主に以下の点について学ぶことができました。
1.委員会のインターネット中継(敦賀市議会でも現在検討中)
①実施に至る経緯
・議会運営委員会にて協議
・平成27年度に、本会議に加え、委員会への中継の拡大を図るため、議会改革の検討項目として自民党豊橋市議団より提案あり。
・平成28年度には、先進地への視察など調査・研究実施。フリー動画共有サイト方式で実施することを決定。
・平成29年度当初予算に予算要求した後、設備工事(H29.4~5月)、各種準備作業(H29.6~8月)を進め、平成29年9月定例中の委員会からライブ中継・録画配信を開始。
②配信方法
・フリーの動画共有サービス(YouTube)を利用し、議会事務局職員が撮影・配信から編集まで行う。
・コストの最適化を考慮し、委員(議員)の映像を固定のWebカメラにより配信。
・固定カメラの設置位置の関係から、映像に映るのは議員のみ(理事者は音声のみ)。
③中継対象とする委員会
・予算特別委員会
・決算特別委員会
・一般会計予算特別委員会
・常任委員会(総務、環境経済、福祉教育、建設消防)
・調査特別委員会
④導入費用
・初期費用(LAN配管工事やインターネット光回線新設工事、機器購入費用等)914,328円
・ランニング費用(インターネット回線使用料等)6,674円/月
2.委員会のオンライン開催
①委員会条例の改正について
・令和4年5月に「委員会の開会方法の特例」を次のように改正。
(以下、条文のまま)
第11条の2 委員長は、新型コロナウイルス感染症その他重大な感染症のまん延又は災害等の発生等により委員が委員会の開会場所に参集することが困難と認めるときは、映像と音声の送受により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法(以下「オンラインによる方法」という。)で、調査研究のための委員会を開くことができる。ただし、第61条第1項の秘密会は、この限りでない。
・条例改正に併せて、「オンラインによる調査研究のための委員会開催に関する実施要領」を決定。
②実際のオンライン委員会開催までの流れ
・令和4年8月2日の福祉教育委員会にて、委員1名が発熱し、本人よりオンラインで出席したいとの申し出を事務局が受ける。
・正副委員長が協議し、オンラインでの出席を許可
・オンライン出席委員と委員会室との試験通信を実施のうえ、定刻の10時より開催。
・なお、条例にあるよう、この場合も「調査研究のための委員会」であり、定例会の常任委員会等はまだ実施対象としていない。
③システム対応
・Web会議システムは「zoom」。
・映像について、委員会室では、オンライン出席委員の端末搭載カメラからの映像を事務局の端末(Zoomホスト)を通じて会場にプロジェクターで
投影。オンライン出席委員は、事務局の端末搭載カメラ(Zoomホスト)からの委員会室(主に委員のみ)の映像を確認。
・音声については、マイクシステムとZoom端末をケーブルでつなぎ、マイクシステムを通して委員会室とオンライン出席委員双方の音声を配信している。
3.政務活動費の個人支給
①条例改正までの経緯
・平成30年6月8日に、政務活動費の支給方法の見直し及びHP公開が議会運営委員会での検討事項に決定。
・平成30年12月21日、議会運営委員会理事会において、会派支給から個人支給への変更とHP公開(収支一覧のみ)が決定。
・平成31年2月25日、議会運営委員会において、条例、施行規則の改正案の決定。
・平成31年2月26日、3月議会初日に条例改正議案を提出、同日施行規則の改正。
②改正の理由
・議員個人が執行に責任を持つことで、使途の適正化を図ることができること。
大変分かりやすく且つ丁寧にご教授いただきました、伊藤議長をはじめ、豊橋市議会事務局の皆様に心より感謝申し上げます。
さて、こうして飯綱町、取手市、豊橋市と、「議会改革」に先進的に取組む3つの議会を訪問し、ここに記載していないことも含め、非常に多くの学びと気付きのあった視察となりました。
「知って行なわざれば知らぬことと同じなり」
これは「知行合一」の精神ですが、まさに、今回得た知見や経験を、敦賀市議会の改善(の積み重ねが改革になる)につなげねば意味なし。
今後は「チーム議会」をキーワードに、敦賀に戻り尽力いたします。