見えない根っこを太くして。未来の美しい花のために。

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全国すべての都府県で緊急事態宣言解除が発表された昨日。
 
「時期尚早」「もう限界」など各地域において受け止めも様々でありますが、私はこれ以上の宣言継続は、事実上の経済難民が発生することや、さすがの日本人とは言え、なし崩し的にルールが破られていく、即ち「無秩序」な社会状態になることが危惧されることから、このあたりが限界でもあると考えるところです。
 
とは言え、一部の地域に対しては都県跨ぎの往来自粛を求める一方、8月からは国内旅行を喚起するクーポンなどの施策を講じるなどともあり、このあたりについても既に賛否両論の声が挙がっているところにつき、これから前に進むにあたり国民からしてチグハグ感が生じる施策とならないよう、丁寧な説明のうえ実行願いたいと思います。
 
とりわけ、8月からの国内往来喚起に関しては、もちろん観光業や宿泊業に対する後押しであることは理解しつつも、頭に引っ掛かるのは、同時期に開催する予定であった夏の甲子園大会中止。
 
甲子園大会中止に関しては、先日もブログに私の思いを書かせていただき、大会運営のみではなく「教育の一環」としての高校野球との位置付けをもって高野連が総合的に判断された結果であることを胸中に飲み込んだ訳ですが、こうして緊急事態宣言を解除したと同時に、政府見解として国内往来を喚起すると言われると「オイオイ、苦渋を飲み込んだ人の気持ちを分かってんのかい?」となってしまうのは私だけでしょうか。
 
もちろん、この「苦渋を飲み込んだ」のは高校野球だけではなく、野球に先立ち中止を決めた高校総体や中体連などスポーツ分野、さらには吹奏楽などにおいても同様、大会や公演会が中止となっており、分野を問わず「努力の成果を試す場」を失った学生、指導者、保護者の気持ちを慮って発言いただきたいと思うところです。
 
そして、憂うだけでなく、地域や社会が出来ることは、次の策を講じること。
 
全国大会は開催されずとも、先に述べた「努力の成果を試す場」「結果を確認する場」をあらゆる手段、方法により舞台を整えるのが我々も含めた地域社会、それぞれの分野に携わってきた関係者の役割でもあり責務であり、これに向け最大限の後押しと協力を惜しまず対応していきたいと考えます。
 
福井新聞の3面に「涙の夏、決意の夏」と題した読者投稿欄があります。
 
ここには、新型コロナ感染の影響を受け、高校・中学を問わず「試す場」を失った学生さん、親御さんが思いを綴られており、読むと感情移入してしまい毎朝涙する訳ですが、先日のある投稿(5月23日の中学吹奏楽部の子を持つ親御さんの投稿)に「悔しさが未来の底力に」と題し、このように書かれていました。
 
吹奏楽全国大会中止の発表以降も練習を怠らず、何か発表会だけでもあるかもと諦めない我が子の姿に親が励まされたとしつつ、「夢中になれることを見つけたことが大事。好きなことをやめろと言われた訳ではないので、可能性はこの先いっぱいある」、「親としても応援することは諦めない」と続き、最後に「見えない根っこを太くして。未来の美しい花のために」と結ばれていました。
 
私はこれを読んで、親として大いに思いを共感し、励まされた気持ちになりました。
 
全国の学生の皆さんにとって、辛い気持ち、やり場の無い悔しい思いは、この先も一生消えることはないかも知れません。
でも、その落胆する気持ちの中から前を向き行動する力というのは、少々のことでは挫けない強い人間形成につながり、どこかで人生を振り返った時に必ずや「あの時を乗り越えたから今がある」と思えるものになります。
これは、私自身の人生経験をもってしても言えることなので、間違いありません。
 
「未来の美しい花のために」
 
素晴らしい言葉に出会えたことに感謝するとともに、地域社会を構成する一員として、同じ思いを持つ子の親としてバックアップしていきたいと思います。
 

【我が家のプランター菜園。こちらは実をつけるべく根を張りスクスク成長しています】