第47代アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が就任

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新聞記事を見て気づいたため、偉そうには言えないのですが、昨日1月20日は、日本と旧ソ連による日ソ基本条約の調印と国交樹立から100周年の日だったとのこと。
 
ソ連での共産主義革命や日本のシベリア出兵などで対立していた両国は大正14(1925)年1月20日、北京で日ソ基本条約に調印し、国交を樹立。
 
ロシア外務省は、国交樹立が実現した背景には、その必要性を当時の日本政府に訴えた後藤新平ら日本の政治家や公人の尽力と、日本へのソ連の歩み寄りがあったとしたした上で、「ロシアは現在でも、日本政府の反露路線を破滅的かつ国民に悪影響を与えるものだと理解している良識的な政治家や公人が日本にいると考えている」と主張。
 
「ロシアは日本が非友好的な対露政策を放棄し、現実かつ実際の行動に裏打ちされた形で対話の再開を望む場合、ロシアもそれを検討する」とする声明を発表しました。
 
なお、本条約締結について外務省ホームページを調べると、次のような記載がありました。
 
本条約締結の理由について幣原(喜重郎:外務大臣)は、条約批准のための枢密院での討議において、(1)目下のところソヴィエト政府の地位が相当確実であること、(2)両国間には特殊関係があることの2点を挙げています。このことは、幣原外交にとってソ連との国交樹立が、利権の確保という実利的な側面に加えて、革命の混乱を超えて安定的な国家運営を始めたソ連を国際社会の一員として取り込むことを目指したものであり、さらに言えば、ワシントン体制の不安定要因であったソ連との関係を平常化することにより、ワシントン体制の基盤拡充を図ろうとするものであったことを示しています
 
つまりは、日英米3カ国の連携を軸とするワシントン体制に有利に働くよう、何と1924年5月以降61回にも及んだ正式会議を経て調印、批准されたとあり、当時の日本外交が果たした大きな役割の背景には、幣原外相らの粘り強い交渉があったことを知ったところ。
 
今回のロシア外務省の声明に対し、日本政府としては何も反応していないようですが、周年を機に、100年前にあった歴史を思い返すとともに、極東アジアの地政学上、昔も今も世界のパワーバランス、大国と大国の狭間に日本はいることを改めて認識する次第です。
 
その上で、一方の大国アメリカ。
 
20日(日本時間21日未明)、共和党のドナルド・トランプ氏が首都ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓し、第47代大統領に就任しました。
 

【米連邦議会議事堂で開かれた就任式で演説するトランプ新大統領(AP通信)】
 
「もしトラ」(もしもトランプが大統領になったら)が現実のものとなった訳ですが、トランプ新政権高官によると、トランプ氏は就任後に国家非常事態を宣言し、国境管理の厳格化やエネルギー増産などの公約実現に乗り出すことや、バイデン民主党政権が取り組んだ多様性を推進する政策も取りやめるなど、あらゆる方面で大きな政策転換を図るとしており、この影響は他国にも及ぶことは必至の様相となっています。
 
トランプ新大統領の政策に関し、ネット上で新聞各紙の情報を拾っただけでも次のことが。
 
◉不法移民を巡り「米国史上、最大の強制送還を始める」。
◉地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から再離脱する。
◉石油や天然ガスの新規開発を後押しし、産出を増やす目的で規制の撤廃と削減に力を入れる。
◉エネルギー価格が物価高を招いており「国家エネルギー非常事態を宣言する」。
◉米国に埋蔵される石油・ガスは世界最大規模で「液体の金」だと表現し、「世界各国へ輸出する」。
◉「米国は再び製造業立国になる」と宣言。バイデン前政権が注力した電気自動車(EV)の普及策を撤廃する。
◉貿易相手国に対する関税強化の方針を示し、米国の労働者と家族を守るため貿易制度を見直す。
◉「米国第一貿易政策」を発表する。
◉米南部に面するメキシコ湾を「アメリカ湾」に改称する手続きを取る。
◉両親が米国籍を持たなくても米国で生まれた子どもに自動的に国籍を与える制度を廃止する。
◉バイデン政権が進めた多様性・公平性・包括性(DEI)に関する政策を終わらせる。
◉連邦政府が認める性別は、男性と女性だけだと宣言する方針も明らかに。
 
まさに「アメリカファースト」の政策が並ぶとともに、地球温暖化対策などに関しては、世界の足並みを外すものであり、この先どうなるか。
 
また、国籍や多様性、ジェンダーに関しては、選挙で勝利したとはいえ、米国民がどのように受け止め、反応するのか気になるところです。
 
そして、同盟国の日本においては、先の日ソ基本条約の背景にあった「ワシントン体制」の時のような役割を果たすのか。
 
周辺諸国との緊張感の中にあって、石破総理がどうトランプ大統領との関係をどう築くか。
 
後日、トランプ大統領と初面談する石破総理の肩には、「国民の生命と財産」と「国益」がかかっています。