福井県市議会議長会「令和6年度中央要望」〜敦賀市議会からは原子力政策について求める〜

エネルギー ブログ

一昨日のブログで、野坂山の山頂が白くなっていたことをお伝えしましたが、二十四節気では今日から「小雪(しょうせつ)」。
 
「寒くなって雪が降る頃」になります。
 
天気予報を見るとまだ雪マークはないものの、「小雪」を合図にそろそろ冬支度。
 
早目にタイヤ交換などを済ませ、本格的な冬に備えましょう。
 
さて、寒さが厳しくなるにつれ、暖房器具の使用等により電力需要が増加し、以前にあった「需給ひっ迫」の心配をまたしないといけないのかと忸怩たる思いが浮かぶ訳ですが、これに関し、現在国で進めているのが「エネルギー基本計画」改定に向けた議論。
 
原子力に関しては一部報道で、現行の「第6次エネルギー基本計画」にある“原子力依存度を可能な限り低減する”との文言が残るのではとあるところです。
 
議論を遡ると、改定論議を始めたあたりの5月15日に開催された第55回エネルギー資源調査会基本政策分科会で委員の杉本達治福井県知事は、「(現行エネルギー基本計画では)可能な限り依存度を低減するとし、原子力の将来像が明らかになっていない」と意見しています。
 
岸田政権時に決めた、政府の「GX実現に向けた基本方針」や「原子力の最大限活用」からすれば当然、次期エネルギー基本計画では、この文言が削除されるものと思っていましたが本当に残すつもりなのか。
 
何の勢力に配慮して躊躇しているのか分かりませんが、この文言が残る場合、国の方針との間で自己矛盾が生じることも含め、明確な判断を切に求める次第です。
 
そうした中、昨日は全国都市会館(東京都千代田区)で開催された福井県市議会議長会(9市の正副議長で構成)の令和6年度中央要望に出席。
 
福井県選出の国会議員に対し、各議会からそれぞれの課題を踏まえ、要望を伝えました。
 

【各議会の思いが込められた要望書】
 
トップバッターで意見した敦賀市議会からは中野史生議長より、「原子力政策と原子力発電所立地地域の安全確保」について要望。
 
原子力政策の方向性を明確に位置付けるとともに、原子力利用に係る取組について、時間軸を含めて具体的に示すことや原子力災害時の即時避難ルートの確保、道路寸断等に伴う市内の孤立化防止に向けて、「敦賀一高島連絡道路」の整備実現のための調査委託等の事業を推進することなどを強く求めました。
 
なお、その後の意見交換会で自民党議員の方とお話しした際、「国民民主党さんの原子力政策は?」と聞かれたので「リプレースはもちろんのこと、新増設まで公約に書いてますよ」と申し上げました。
 
また、同じく自民党のもうお一方の議員さんは国民民主党の政策を把握されており、原子力政策も協力して進めていければとの言葉がありました。
 
同じ党でこうも違うのかと感じましたが、「自民党より踏み込んでいる」ことをお伝えできたことは良かったかと。
 
いずれにせよ、先の“依存度を可能な限り低減”の文言然り、石破政権下でエネルギー基本計画はどうなるのかに注目が集まるところであり、「自分の国は自分で守る」との考えのもと、原子力のみならず、再エネ偏重を是正するという国民民主党の考えをどう反映していくか。
 
「103万円の壁」が30年ぶりに動いた訳ですが、エネルギー基本計画は「3年ごと」の改定。
 
原子力を今の3倍にするとの世界の潮流も背景に、日本再生のためにこの壁も動かしていかねばと考える所存です。