2024年7月31日
本日の原子力規制委員会にて「敦賀発電所の原子炉設置変更許可申請書」の今後の対応を協議
昨日は「令和6年度嶺南市町議長会定例会」に中野史生議長とともに出席。
「嶺南」の由来は、木の芽峠を境に「木嶺以南」(嶺北は「木嶺以北」)、つまりは福井県の敦賀より南側(以西とも言う)を指し、議長会は敦賀市、小浜市、美浜町、若狭町、おおい町、高浜町の2市4町で構成。
国道27号や舞鶴若狭自動車道、JR小浜線の交通網でつながり、とりわけ、1市3町が原子力発電所の立地地域というのがひとつの特徴であるところ。
定例会ではまず、議長会会長の藤田靖人・小浜市議会議長からのご挨拶の後、開催市の松崎小浜市長より歓迎の言葉を頂戴しました。
先に行われた小浜市長選挙で敗れた松崎市長。
自らのことには一切触れることなくご挨拶される姿に、私心を捨て、最後まで公職を貫く、真摯なその姿勢に敬意を表した次第です。
定例会では、経過報告に続き、敦賀市及び小浜市、若狭地方町村議会議長会より提出の北陸新幹線の整備促進や原子力政策、地域医療の充実・強化など、7つの議案を承認。
なお、機を逸することなく取組む必要があるのは、北陸新幹線小浜ー京都ルートの早期事業化ですが、挙げられた嶺南地方にある地域共通の課題解決に向け、2市4町がこれまで以上に連携していかねばと改めて認識したところです。
さて、議案でも承認した原子力政策について、嶺南地域どころか、日本の原子力規制のあり方にも通ずる原子力規制委員会の対応について。
先週金曜日に開催された、敦賀発電所2号機に関わる原子力規制委員会の新規制基準に係る審査会合の結果を踏まえ、間を置くことなく、本日10時30分からの原子力規制委員会では、議題2として、「日本原子力発電株式会社敦賀発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書(2号発電用原子炉施設の変更)に関する審査会合の審査結果及び今後の対応」について協議されることとなっています。
先の審査会合では「可能性を否定できない」、「不確かさ」などをもって、敦賀2号の原子炉建屋直下を走る破砕帯が活断層でないことを証明できていないと判断されつつある訳ですが、今回と同様の言い回しで「活断層」と判断したのは、以前の「法的根拠なく」原子力規制委員会が設置した有識者会合。
結局、振り出しに戻っただけではないかと忸怩たる思いですが、その際は、有識者会合が結論づけたことに対し、日本原電が猛反発したうえ、同社が提出した報告書(2013年7月)に対する国際レビューにより、明確にこれを否定しています。
このレビューチームは、英国シェフィールド大学のニール・チャップマン教授を始め、国内外の地質学、地震工学、リスクアセスメント、原子力を専門とし、政府機関、原子力産業、原子力規制機関及びIAEAのような国際機関とともに幅広く活動している科学者から成り、2013年3月と5月には敦賀発電所も訪れ評価したものですが、ここでは以下のように結果をまとめています。
【「敦賀発電所における破砕帯に関する日本原電の報告書(2013年7月)に対する国際レビュー」抜粋(日本原電HPより引用)】
なお、当該レビューの詳細は以下ご覧ください。
→敦賀発電所における破砕帯に関する日本原電の報告書(2013年7月)に対する国際レビュー(日本原電HPより)
国内外一級の有識者が出した評価結果をもって日本原電はこれを主張、あれほど「敦賀2号は立地不適格(建ってはいけない場所に建っている)」とのレッテル貼りをした有識者会合の評価は、公式のものではなく、いつの間にか「参考扱い」になり、その結果、敦賀2号は2015年11月に新規制基準への適合性確認審査を申請し今に至ります。
こうしたやり取りから始まった敦賀2号敷地内破砕帯を巡る議論は既に「9年」の歳月を経、このような変遷を辿っている訳ですが、本日開催の原子力規制委員会ではどのような対応方針が示されるのか。
まずは注視するしかありませんが、続くものと疑わない適合性審査においては今後、先にあったよう、国内外の有識者にも調査・評価いただくなどにより、明白な証拠をもって、必ずや「活断層でないこと」が立証されるものと信じるところです。