曖昧にしてはならない国家運営の基本政策の一致を求める

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26年続いた自公連立政権から公明党が離脱。
 
公明党の懸念事項は「政治と金」の問題で、企業・団体献金の規制強化を巡り、自民党に決断をしてほしいと説明していたものの、昨日の党首会談における高市早苗総裁からの「これから検討する」との回答を受け、決断した形。
 
これに高市総裁が(公明党から)「一方的に伝えられた」と述べたことに、公明党の斉藤鉄夫代表は反論。
 
「ちょっと意外だ。言葉の使い方としておかしいのではないか。懸念事項がなくならない限り、連立政権ということにはならないと1週間前に伝えていた」と述べました。
 
たまたま観ていた夜のテレビ番組に出演していた斉藤代表の言葉を借りれば、1週間どころか1年前から言っているが、自民党は「検討する。検討する。検討する。」(確か3回言っていた)ばかりとのことであり、総裁が変わっても同じ反応にしびれを切らしたと映るものの、双方の駆け引きや本音の部分は知る術もなく。
 
また、公明党は臨時国会の首相指名選挙において高市総裁に投票しないと決めたことで、次期首相レースの行方は混沌としてきている一方、野党側は立憲民主党の安住淳幹事長がこうした自公関係の混乱の隙を突き、国民民主党の玉木雄一郎代表への一本化を提起しているものの、日本維新の会の藤田文武共同代表は「国家の基幹政策の合意がなければ難しいし、立憲民主党とは相当隔たりがある」と難色を示しています。
 
なお、当の玉木氏は慎重で、記者団に「安全保障の考え方を整理し、国民民主と歩むのか立憲民主党内で確認を」と求めた上で、X(旧Twitter)に次のようにポスト(投稿)。
 
<以下、玉木代表のXポストを引用>
 
私には内閣総理大臣を務める覚悟があります。だからこそ、政権を共にする政党には、安全保障を軸とした基本政策の一致を求めています。
 
立憲民主党には、首班指名の対象として私の名前を出していただき、身が引き締まる思いです。であれば、憲法違反としてきた平和安全法制の扱いなど安全保障に関する基本認識や、原子力発電を認めるのかなど、曖昧にしてきた基本政策について、立憲民主党の皆さんが、国民民主党の政策に沿って一致結束した行動を取れるのか、ぜひ、党内調整と機関決定をしていただきたいと思います。
 
政権を担うとは、我が国に起こるすべてのことに責任負うことです。物価高騰対策はするけど、安全保障政策は脇に置いてお休みです、とはいかないからです。トランプ大統領も今月末には日本にやって来ます。
 
私は内閣総理大臣を務める覚悟があります。だからこそ、曖昧にしてはならない国家運営の基本政策の一致を求めているのです。
 
<引用終わり>
 
また、この日、定例記者会見を行った国民民主党の榛葉賀津也幹事長も次のとおり述べています(要約)。
※公明党の連立離脱発表前
 
◉野党が「政権交代」を掲げても、政権構想や枠組みが全く見えない。
◉そのせいで、政治が混沌とした状態になっている。
◉自民・公明(時効連立)も過半数を失いつつあり、枠組みの再構築が必要。
◉野党も「とりあえず組もう」という曖昧な連立話ばかりで中身がない。
◉物価対策・ガソリン税引き下げなど、一部だけ一致しても政権は運営できない。
◉「安保は関係ない」「エネルギーは知らない」では話にならない。こうした連立話では本気に見えない。
◉自分は玉木雄一郎をこれからも支える立場。
◉玉木さんが総理になる可能性もあるが、政権の枠組みが見えなければ意味がない。
◉自民・公明は少なくとも協議の枠組みがあるが、野党はバラバラ。
◉今の野党の状態では、政権交代の受け皿にならない。
 
これらの発言のどこをどう解釈したらそうなるのか分かりませんが、SNS上では「玉木は総理ポストが欲しいだけだ」と荒れ模様。
 
民主党時代からの変遷を知る私としては、国民民主党と立憲民主党に分かれていった理由がまさに、国家の根幹に関わる憲法や安全保障、原子力政策に対する考えの相違であった訳であり、その不一致課題を横に置いて、一緒にやることはできないという至極当たり前のこと。
 
男女間に例えれば、離婚した理由を棚上げにして復縁を迫るようなものではないかと思うところですが、玉木代表は別に、「我々は解党的出直しではなく、本当に0からスタートし、旧民主党的な政策と一旦決別して、未来志向の政策に一新したんですよ。我々は支持率1%だとか言われながら支えてもらって変わったんです。そんじょそこらの覚悟じゃないんですよ。政策を脇に置いての数合わせには与しないんです。」とも述べており、立憲民主党が本気だというのであれば、不一致課題を解決できるのか、貴党で機関決定をというのは当然のことと考える次第です。
 
一方、現在のところ、首班指名で高市氏が見込める票は自民党だけで、主要野党が投票先を一本化できれば高市氏を超える状況にあるのも事実。
 
今月21日を軸に調整されている首相指名選挙に向け、与野党間の交渉が続く予断を許さない状況でありますが、臨時国会の召集がこれ以上ずれ込む訳にはいきません。
 
月末に予定される国際会議やトランプ米大統領訪日を、退陣が確定している石破首相で迎えることだけは避けねばならず、混沌とした中において、私は国民民主党に属する者として、信頼する玉木代表、榛葉幹事長に一任し、その判断と対応に従う覚悟であります。
 
<参考>首班指名の得票ライン(産経新聞記事より引用)