早田ひな選手の発言と特攻で逝った英霊の思い

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これは昨朝、名子のヨットハーバーで辻立ちをしていた際に、前を通過した車のナンバー。
 
割合は明らかに福井ナンバーを上回り、この後も続々と敦賀半島を先へ行く車の列は続きましたが、夏の思い出づくりに、敦賀の海を選択いただいたことを嬉しく感じた次第です。
 
と同時に、お盆時期と重なることもあって、こうした「平和」の大切さを感じたところですが、本日は終戦から79年となる8月15日。
 
政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館で行われるほか、各地でも同様の追悼式が行われますが、先の大戦で犠牲となった約310万人のご冥福を心からお祈りいたします。
 
「先の大戦」に関しては、パリ五輪卓球女子シングルスで銅、団体で銀メダルに輝いた早田ひな選手が13日、帰国記者会見で発言したことが話題になっています。
 
会見で「いまやりたいことは」と聞かれた早田選手は、「アンパンマンミュージアムに。ちょっとポーチを作りに行きたいなと思っているのと」と答えた上でさらに、「あとは、鹿児島の特攻資料館に行って、生きていること、そして自分が卓球がこうやって当たり前にできていることというのが、当たり前じゃないというのを感じてみたいなと思って、行ってみたいなと思っています」と続け、特攻に関する資料が展示される知覧特攻平和会館を行きたい場所として挙げました。
 
「知覧特攻平和会館」とは、大戦末期の沖縄戦において、爆装した飛行機もろとも敵艦に体当たり攻撃をした陸軍特別攻撃隊員1036人の遺品や関係資料を展示している場所ですが、早田選手の発言を受けて同会館は、「早田選手の発言でより多くの皆様に当会館のことを知っていただく機会をいただき大変ありがたく感じております。また、若い世代の『特攻』を知らない皆さんにもこれを機会にご来館いただき、特攻の史実を知っていただければ幸いと存じます」。
 
早田選手が来館した場合、どこを見て欲しい、どういう所を知って欲しいかとの問いには、「知覧特攻平和会館では隊員の多くは早田選手と年齢も近しい年代です。それらを見学いただくことで,会見でも話されておられるよう、生きていることのありがたさや、命の尊さ、平和のありがたさを感じていただければ幸いと考えます」と答えています。
 
その「知覧特攻平和会館」の詳細に関しては、以下のリンクよりぜひご覧いただきたく存じます。
 
 →「知覧特攻平和会館」ホームページはこちら
 
なお、ホームページには特攻隊員が家族や恋人に宛てた遺言や手紙が掲載(デジタルアーカイブ)されており、そのひとつをご紹介いたします。
 
これは、23歳の穴澤利夫大尉(戦死後の階級)が出撃前に婚約者に宛てた手紙で、女性がこの手紙を受け取ったのは戦死から4日後。
 
<原文抜粋>
 
今は徒(いたずら)に過去に於(お)ける長い交際のあとをたどり度(た)くない。問題は今後にあるのだから。常に正しい判断をあなたの頭脳は与へ(え)て進ませて呉(く)れることと信ずる。然(しか)し、それとは別個に婚約をしてあった男性として、散って行く男子として、女性であるあなたに少し言って征(ゆ)き度(た)い。
 
「あなたの幸せを希ふ(ねがう)以外に何物もない」
 
「徒(いたずら)に過去の小義(しょうぎ)に拘(こだわ)る勿(なか)れ。あなたは過去に生きるのではない」
 
「勇気を持って、過去を忘れ、将来に新活面(しんかつめん)を見出すこと」
 
「あなたは、今後の一時(いっとき)一時(いっとき)の現実の中に生きるのだ。穴澤は現実の世界には、もう存在しない」
 
<引用終わり>
 
彼女の幸せを一途に願い、自分を忘れ、これからを生きよと切に伝える文面に言葉がありません。
 
特攻作戦を美化するつもりはありませんが、一途にこの国と愛する家族や恋人を守るため、若くして散ったその史実を語り継ぐこと、英霊たちの犠牲の上にあって、今の自分や家族の暮らし、今の平和があることを深く胸に刻む次第です。
 

【昭和20年4月12日、知覧高等女学校の生徒達が、出発線に向かう第20振武隊の穴澤利夫少尉(当時)を八重桜の枝を振って見送る場面(同館HPより引用)】
 
今日で終戦から79年を迎えますが、戦争を知らない世代が多くなる中、早田選手の今回の発言が、戦争や特攻についてあらゆる世代が学び、知覧に行かずとも、「生きていることのありがたさや、命の尊さ、平和のありがたさ」を実感する機会になればと願うとともに、勇気をもってこのような発言をされた早田選手に敬意と感謝を申し上げる所存です。
 
なお、終戦の日を前に昨日、岸田文雄首相が9月の自民党総裁選に出馬しない考えを示しました。
 
私は、このタイミングで表明したことに何かメッセージ性を感じずにはいられませんが、現政権与党のリーダーになる方には、自民党を守るためではなく、日本古来からの歴史を大切に国家観を持ち、先の大戦で犠牲になられた方々や拉致被害者、そのご家族の思いを受け止め、真にこの国を守り抜く覚悟のある方に就いていただきたい。
 
そのことだけを申し上げ、本日のブログを閉じたいと思います。