敦賀2号の「再稼働をめざす」考えは不変

ブログ 原子力

熱狂のパリ五輪では、栄光を勝ち奪った日本人選手がいる一方、惜しくも涙を飲んだ選手も。
 
とりわけ、柔道男子60キロ級の永山選手を始め、いわゆる「疑惑の判定」で敗れた選手の無念たるや想像に耐え難いものがある訳ですが、今の私の心境もこれに比するもの。
 
原子力規制委員会(以下、規制委)は2日、日本原子力発電(以下、日本原電)が再稼働をめざす敦賀発電所2号機(以下、敦賀2号)について、原子力発電所の安全基準を定めた新規制基準に適合せず、審査不合格とする結果をまとめた審査書案の作成を事務局の原子力規制庁に指示しました。
 
これに先立ち行われた「臨時会議」の場で、日本原電の村松社長からは、K断層の活動性及び連続性に係る基準適合性の確認結果を精査し、社外の技術者も加えた専門チームを交えて検討している追加調査内容について説明するとともに、具体的な追加調査の計画がまとまり次第、あらためて説明のうえ、昨年8月末に提出した敦賀2号の原子炉設置変更許可申請の補正書の「再補正」をしたい旨、意見。
 
また、具体的な追加調査計画については、今後2ヶ月程度を目途に正式に示したい、これらの追加調査に必要な期間については、1年以上必要と推察していることも明らかにしたものの、規制委側はこれらを受け入れることなく。
 
その後開かれた規制委にて、前述の方針を示した形となりました。
 
7月31日の規制委の会見で山中委員長は、「立論の方法を変更しなければ当然、我々審査チームの否定を覆すことはできないというふうに考えておりますし。その期間が極めて短いものであるならば、(再補正の)可能性としてはないことはございませんけれども(以降省略)」との考えを示していましたが、①立論の方法を変更してもダメ、②期間を示してもダメな結果となり、一体この「臨時会議」(日本原電社長との意見交換)の意味は何だったのかと忸怩たる思いが募った次第です。
 
この結果を受け、日本原電はコメントを発出しており、「審査書案を取り纏めることが指示されたことは、大変残念であります。」としつつ、「当社としては、敦賀2号の稼働に向けて、追加調査やデータの拡充等に取り組むとともに、今後の対応について検討してまいります。」としています。
 
 →日本原電プレスリリース「敦賀発電所2号機の新規制基準適合性審査に係る原子力規制委員会の方針について」はこちら
 
労働組合側も会社側の考えを踏まえつつ、「敦賀2号は、電力の安定供給や温暖化対策などの観点で、必要不可欠な電源であるとの認識にいささかも変わりはなく、引き続き働く者の立場で安全性確保を前提に再稼働を目指すべく、諸活動に取り組んでまいります。」とのスタンスを示しています。
 
冒頭の五輪で、「疑惑」であろうが「不可解」であろうが、判定は判定として受け入れ、4年後に向け「この経験を次に生かす」と力を込める永山選手の姿がありましたが、日本原電においても同様、「可能性を否定できない」、「不確かさがある」との判定を、誰がどう見ても納得する「一本」で、覆していただくことを切に切に期待する次第です。
 
結びに、「臨時会議」である委員が事業者に対して言った「勝算はあるのか」との言葉。
 
「ある」と言っても答えは変わらないばかりか、そもそも審査の場で「勝算」(勝ち負けなのか)との言葉を使うこと、さらには当然、事業者は認可をもらうために申請(再補正含む)、審査に臨んでいる訳であり、認可する側の規制委が被規制側の事業者に対して絶対に言ってはならないことだと私は思います。
 
この言葉にも表れるかの、一連の敦賀2号審査に対する数々の思い。
 
絶対に忘れません。
 

【愛するマイプラント「敦賀2号」。時間が掛かろうと、原子力発電で社会に貢献するとの思いは不変。】