2025年2月14日
政治は民を豊かにするためにあり
2025春期生活闘争が本格スタート。
大手企業だけではなく中小企業も含めて、収まる気配が見えない物価上昇を上回る高水準の賃上げとなるかどうかが最大の焦点とあるものの、根本的に重要なのは「人への投資」。
母体の電力総連をはじめ各産別労組においては、「早期の有利回答」が得られるよう心から応援する次第です。
さて、「30年来上がっていない実質賃金」が背景にある日本。
実際にデータで見てみると、厚生労働省が2月5日に発表した2024年の毎月勤労統計調査(速報)では、月平均の現金給与総額は34万8182円で4年連続の前年比プラス。
増加率は2.9%で、4.4%だった1991年以来の高い伸びだったとあるものの、「従業員5人以上の事業所」では、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は、前年比0.2%減で3年連続のマイナス(下表参照)。
名目賃金に当たる現金給与総額は33年ぶりの高い増加率だったものの、家計を圧迫している物価高に追い付かず、プラスには届いていない状況にあることが分かります。
【厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年分結果速報』より引用】
→厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年分結果速報』全データはこちら
前述のとおり、春闘交渉での賃上げがなくては、実質の手取り額が減少し生活は苦しくなるばかり。
一方、ゆとりある暮らしや経済の好循環を生むためには、労使交渉頼みではなく、政治の出番であることは言うまでもないところ。
自公と国民民主党の幹事長で合意した「ガソリン税の暫定税率(25.1円/リットル)廃止」を早期に実施して欲しいと思いますが、いわゆる「103万の壁」の引上げについてはここにきて動きが。
国民民主党が「生存権の保障に関わる」として主張する「178万円」への引き上げに対し、公明党の斉藤鉄夫代表は11日の記者会見でこの観点を評価。
「生存権の保障をどのように具体的な数字で体現していくのか。これからの協議の大きな軸になる」と記者団に語っています。
また、代表の発言を受けてか、公明党の西田幹事長は「178万円を目指して引き上げる」とした3党合意を受けて、その具体的な道筋を税法の付則などに明記する必要があるとの認識を示しています。
自民・公明・国民民主による年収「103万円の壁」引き上げをめぐる実務者協議は、現在、中断しているものの早期に再開する方向で3党が合意しています。
「手取りを上げる」ため、政治の側が何をすべきか。
春闘での労使交渉と並行して、こちらの3党協議においても大きな成果が得られることを切に期待する次第です。
古より、政治は民を豊かにするためにあるのですから。