2024年10月30日
政局はあれど「超現実的」な「エネルギー基本計画」策定を
昨日午後は、福井県自治会館で行われた「市町議会議員合同研修会」に出席。
一般社団法人 地方公共団体政策支援機構 長内紳悟氏による「議会のデジタル化とDX」、政治ジャーナリスト 細川隆三氏による「衆院選を分析!石破政権の課題」と題した講義を拝聴いたしました。
長内氏の「議会改革は市民のためにならない」との発言には違和感を覚えましたが、それぞれお聞きした話の中で得たヒントは、今後の活動に活かしていきたいと思います。
さて、昨日お伝えした女川原子力発電所2号機の原子炉起動。
予定通り起動をし、今後は11月上旬を想定している再稼働(発電再開)に向けて、各種試験・検査、作業などを進めることとなります。
13年ぶりとなる再稼働に向けて、引き続き、安全確保を最優先に工程を進めていただきたく存じます。
また、女川原子力発電所と同じ沸騰水型(以下BWR)で続くのは、中国電力の島根原子力発電所2号機。
安全性向上対策工事が完了し、昨日28日には、燃料装荷を開始したとの発表がありました。
同2号機での燃料装荷作業は2010年10月以来約14年ぶり。
原子力規制委員会から、燃料装荷に必要な試験使用承認書が同日交付された上で行われたもので、1週間程度かかる見込みの燃料装荷を終えた後、計画通りに進めば12月上旬にも原子炉を起動するとのこと。
福島第一原子力発電所事故から13年余り。
生成AI(人工知能)の普及に伴う電力需要の拡大で、世界の原子力政策は転換期に入り、脱炭素と電力の安定供給を実現する原子力発電所は、資源に乏しい日本のエネルギー戦略を考える上で欠かせないことは言うまでもありません。
【生成AIに対応するためのデータセンター、半導体工場新設などに伴う今後の電力需要予測(資源エネルギー庁 基本政策分科会資料より)】
林芳正官房長官は29日の記者会見で「わが国全体の経済成長の観点から再稼働の重要性が高まっている」と言及しましたが、その意味でも、女川、島根と続くBWRの再稼働は大きな節目と言えます。
岸田政権では「原子力発電の最大限活用」を掲げ、再稼働を加速する構えとした政府ですが、それは当たり前のこととして、上述の通り、データセンターなどの増加で拡大する電力需要を支える脱炭素電源として原子力発電は欠かせず、今後は建替え(リプレース)や新増設も進めなければ、「電力不足」によって、国民生活や経済活動が行き詰まることは明白と考えます。
なお、衆院選の福井1区、2区候補者にリプレースや新増設の必要性について問うたアンケートで、「○」としたのは、1区の稲田朋美氏と2区の高木毅氏の2名のみで、他の候補は「×」または「△」でした。
原子燃料サイクルが回っていない、最終処分の問題が解決していないのに進めるのは無責任だとの回答が多かったように思いますが、では、その条件がクリアになったら良いのですね?或いは、いわゆるバックエンド側の課題解決に向けて取り組んでくれるんですね?と問い直したいところ。
衆院選で自民、公明両党が過半数割れし政権が不安定化する中、今年度に見直す「エネルギー基本計画」は、議論の曲折も危惧されるところですが、この見直しは日本再生に向けた肝であり、使用済み燃料の問題を含め、「超現実的」な計画を策定いただくことを切に願うところです。