名勝気比の松原と勝海舟

ブログ 敦賀の歴史・文化

誰だ 誰だ 誰だ〜♬
 
から始まる歌と言えば、私たち世代なら誰しも知る「科学忍者隊ガッチャマン」のテーマソング。
 
車中では結構、敦賀FMハーバーステーション(77.9MHz)を聴いていることが多いのですが、昨日午前中はちょうどアニソン(アニメソング)特集の時間があり、そこで流れてきたのが冒頭のガッチャマン。
 
元祖アニソンとも言える歌ながら新鮮で、歌手は「泳げたいやき君」で有名な子門真人さん、作詞はタツノコプロダクション文芸部、作詞は小林亜星さんという豪華メンバーであることも改めて知った次第。
 
この歌の何が良いかと言えば、サビの「地球はひとつ 地球はひとつ」と繰り返される部分。
 
今に置き換えれば、この新型コロナや環境問題を始め、地球規模で取り組まねばならない課題が多くあり、何か時代を示唆するかのような歌詞に思えたところです。
 
ガッチャマンにはなれませんが、科学忍法はなくとも科学的に解決することは出来るとの思いを持って、苦しい時は、この歌を口ずさみながら頑張りたいと思います。
 
そうした昨日は公的予定なしということで、午後は妻と愛犬きゅうとで松原公園内を散歩してきました。
 
時間は14時頃でしたが、駐車場はほぼ満車、県外ナンバーの割合も高かったように思えましたが、屋外でマスク着用のうえ、ご家族やグループ単位で浜辺を楽しんでおられること自体、極めて感染リスクが低く、目くじらを立てるようなことではないとの考え。
 
釣り糸を垂れる人、波打ち際で遊ぶ人、ボーっと海を眺めている人など、楽しみ方は様々なれど、こうして敦賀の自慢の場所に来て、思い出のひとつになることは嬉しいことであり、コロナが明けた際にも是非、リピーターとしてお越しいただきたいものです。
 
愛犬との散歩のほうは、グルっと松林の中の遊歩道を歩き、最後は「駐輦(ちゅうれん)の碑」まで。
 
日本三大松原で有名な「気比の松原」ですが、実は明治11年(1878年)には明治天皇が、明治24年(1891年)には勝海舟がこの地を訪れていて、勝海舟においては、かつて明治天皇が松原の景色をご覧になったことに思いを馳せ、次のような意味の漢詩を残しており、その証がこの「駐輦の碑」に刻まれています。
 
(以下、碑文に刻まれた漢詩の意味)
ここは、かつて明治天皇が、お乗物を留めて景色をご覧になられたところである。
国民は明治の善政を喜んでいる。
松風の音はあたかも音楽を奏でているようであり、波の音もこれに調子を合わせて、まさに洋々たる日本の前途を祝しているようである。
 

【浜グラウンドの横に建立されている「駐輦の碑」】
 
意外と敦賀市民も知らない、このような歴史やエピソードをもっとPRして、観光動線にも乗せられないかと思うと同時に、こうした歴史を知れば知るほど、より郷土に愛着が増すとの思いで紹介させていただいた次第。
 
先の勝海舟の言葉「洋々たる日本の前途を祝している」とは、日本の玄関口、国際貿易港として栄ええつつあった敦賀のことを頭に浮かべてのことと存じますが、そう言われれば尚のこと、このまちに誇りと帰属意識を強く感じる訳であります。
 
今の予定では、5月29日に東京オリンピック聖火リレーが、この松原を駆けることとなっています。
 

【松原海岸の様子(花城側を見る)】
 
多くの人が集まらないようにしないといけないのが大変残念ではありますが、風光明媚というに留まらず、気比の松原に詰まる歴史やエピソードが浮かび上がるように、全国に発信されることを切に望むところです。
 
敦賀市にお住まいの皆さんにおかれましては、是非また気比の松原へ、そして「駐輦の碑」にお立ち寄りいただき、明治の一傑の思いを感じていただければ、これ幸いに思います。
 

【おまけ:浜風に立髪なびかす愛犬「きゅう」。敦賀湾を望み何を思う(何も思わないか…)。】