原子力基本法制定から70年 〜福井県原平協「第54回 定期総会」〜

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昨日は、福井県原子力平和利用協議会(以下、原平協)の「第54回定期総会」が、ニューサンピア敦賀で開催され出席。
 
総会では、河瀬一治会長(元敦賀市長)のご挨拶に続き、米澤光治敦賀市長、力野豊福井県議会議員からの祝辞があり、第7次エネルギー基本計画で掲げられた「原子力発電の最大限活用」や、現在開催中の「2025大阪・関西万博」に触れ、55年前の「1970大阪万博」で敦賀、美浜から送った“原子の灯”を思い返してのお言葉があったところです。
 

【祝辞を述べる米澤敦賀市長】
 
議案に関しては、令和6年度の活動実績や収支決算、令和7年度の事業計画や収支予算を承認した後、電力事業者からの報告として、関西電力、日本原電、原子力機構、北陸電力より順次、それぞれのトピックスや課題について報告をいただきました。
 
その後は、セッティングを変え、株式会社ユニバーサルエネルギー研究所 代表取締役社長の金田武司様より「世界の動向から日本のエネルギー政策を考える」をテーマにご講演をいただき、ロシアを見ても分かるよう、エネルギー資源を有する国は貨幣の価値が下がらないこと、先の大戦もエネルギー資源の獲得競争下に起因するものであり、日本にとって原子力発電は昔も今も無くてはならないものと、あらためて、グローバルな視点から日本の歴史を振り返ることが出来た次第です。
 
また、続く懇親会の場では、急遽の依頼ではありましたが、敦賀市議会副議長として、乾杯の発声役を務めることに。
 
私からはまず、定期総会のご盛会を心よりお慶び申し上げた後、「1970大阪万博」会場に”原子力の灯“を送ってから55年の節目の年。国においても次世代革新炉開発に舵を切る中、先般は、三菱重工業が原子力発電所の「リプレース」に向けて200社以上の部品メーカーと調達協議を進め、新型の「革新軽水炉(SRZ-1200)」の部品約150品目で調達可能とあり、世界に誇る日本の原子力サプライチェーン、電力事業者の技術力に期待し、応援すること。
 
加えて、今年は戦後80年。敗戦から10年後の1955年12月19日には『原子力基本法』が制定されましたが、これに向けては、故中曽根康弘元首相らが、まさに命懸けで尽力されたものであること。
 
「原子力の研究・開発・利用を推進し将来のエネルギー資源を確保する。学術の進歩と産業の振興とを図り、人類社会の福祉と国民生活の水準向上に寄与する。」(←実際は、全部言えてませんが)と書かれた基本法制定から、今年はちょうど70年。
 
基本法に込められた理念を、今一度この場で確認し合い、乾杯したいと挨拶した次第です。
 
なお、日本の原子力黎明期から、その礎を築いたのはここ敦賀、そして福井県嶺南地域であると言え、そのことを誇りに思いつつ、半世紀を超え、連綿と原子力への正しい知識と理解を深める活動を続けられている原平協の皆様に敬意と感謝を申し上げるところ。
 
同協議会の今後ますますの発展を心より祈念申し上げるとともに、私も微力ながらお役に立てればと思います。
 
一夜明け、原子力産業新聞(WEB版)を見ると、日立GEニュークリア・エナジーが5月9日、カナダ・オンタリオ州の州営電力オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社が推進している小型モジュール炉(SMR)4基を建設するダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)の初号機向けに、パートナーであるGEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GEベルノバ日立)と連携し、原子炉の主要機器を供給することを発表したとの記事がありました。
 
前述の三菱重工業への期待と同様、海外で供給、実証されるこうした技術が、近い将来、日本国内の技術開発に利用されることを、併せて期待いたします。
 
 

【日立GEニュークリア・エナジーのSMR「BWX-300」(原子力産業新聞より引用)】