2025年3月26日
北陸新幹線延伸巡り 京都で自治体向け説明会開催
花粉症の方には辛い季節となるところ、昨日は黄砂の襲来に、なんと小浜市では25℃を超える夏日に。
3月の観測史上最高気温とのことでしたが一転、週末は寒の戻りで気温は10℃近くまで下がるよう。
桜の開花への影響が心配ですが、人間もこの気温差で体調など崩されませぬようお気をつけください。
さて、そんな昨日午後は、嶺南6市町の首長、議員で構成する嶺南広域行政組合議会の定例会が開催され出席。
令和6年度の補正予算、令和7年度当初予算等について審議のうえ可決しました。
また、北條正議員(敦賀市議会)が行った一般質問で、「ここ2、3年が勝負どころ」と力説していたのは「北陸新幹線小浜ー京都ルート」の件で、管理者である米澤敦賀市長、副管理者の杉本小浜市長からの答弁では、同ルートの必要性や周辺環境も踏まえ、今後も嶺南6市町が一体となって取組むとの考えが改めて示されたところです。
一方、答弁の中でもあったのが、ちょうど時を同じくして、国土交通省と建設主体の鉄道・運輸機構による、京都府内の自治体を対象にした説明会が開催(京都市内にて)されたこと。
北陸新幹線の延伸をめぐっては、与党のプロジェクトチームが「小浜ー京都ルート」で整備することを決め、来年度(2025年度)中の着工を目指していたものの、ルートのおよそ8割がトンネルのため、京都府や京都市から工事による地下水への影響などについて懸念の声が上がり、来年度中の着工を事実上、断念したことはご承知置きのとおり。
こうしたなか、国としても計画を前に進めるため、府内の自治体を対象にした説明会を開いたもので、これに府内の24の自治体からおよそ40人が参加したとのこと。
NHK 京都NEWS WEBを見ると、この中で鉄道・運輸機構の担当者は工事が京都市内の地下水に与える影響について、新たに分析したデータを基に改めて否定。
国の担当者が北陸の自治体などで再検討を求める声が上がっている滋賀県の「米原ルート」については、
◉東海道新幹線との乗り入れが技術的に難しいこと
◉環境影響評価の手続きをやり直す必要があること
から改めて困難との見通しを示しました。
その後行われた質疑で、自治体からは、トンネルを掘削した際の土をどこに運ぶかなど詳細な説明を求める意見や、住民向けの説明会を予定しているかなどの質問が出たとのこと。
国土交通省の北村朝一 幹線鉄道課長は「きょうの説明だけでは理解してもらえない部分もあったと思う。引き続き丁寧に説明を尽くしたい。住民の理解を進めるために何ができるか京都府とも相談していきたい」と話しました。
説明会を経て、掲載されていた府内自治体からの声は以下のとおり。
◉延伸計画のルート上に位置する京都府南丹市の西村良平市長は、「反対や賛成を判断する材料がほしかったが、まだまだアバウトなことしか聞けなかった。これがスタートなので、引き続き説明を求めていきたい」。
◉同じく延伸計画のルート上に位置する京都府久御山町の信貴康孝町長は、「きょうがスタート。国に質問や課題を伝えられたので今後、詳細な回答を得ていきたい」。
◉京都市の担当者は、「初めて見た資料もあったので、これから内容を精査したい。国側は今回で説明は終わりではないと言っていたので、今後の状況を待ちたい」。
と話したとあります。
いずれの声も、責任ある立場から、慎重な発言であったと認識いたしますが、少なくとも過激に反対論を述べる方はいなかったと受け止める次第です。
なお、情報収集のため、「京都 北陸新幹線 説明会」でGoogle検索して出た画面がこちら。
同じ説明会でも、タイトルによって印象が随分変わることが分かります。
地元のご理解なくして前進なしの状況を踏まえ、国や鉄道・運輸機構におかれては、今後も丁寧な説明を続けていただきたいと思いますが、メディアにおかれても同様、反対感情を煽るのではなく、科学的事実を踏まえた公正な報道をお願いする次第です。