2020年7月7日
九州豪雨、避難確保計画は機能したか
5日投開票の東京都知事選挙で再選を果たした小池百合子氏の得票数366万票(得票率59.7%)、平成24年の猪瀬直樹氏が獲得した約433万票に次ぐ歴代2位、史上4人目の300万票越えだそう。
300万票越えのあと2人は、かの有名な美濃部亮吉氏と石原慎太郎氏。
対する他陣営については、次点の元日弁連会長の宇都宮氏が約84万票(得票率13.76%)で、得票率は小池氏の4分の1以下との結果。
投開票日の5日には、共産党などとともに支援に回った立憲民主党党首の枝野代表が、Twetterにご自身の出身地の宇都宮市名物の餃子の思い出をつづり、「#宇都宮」と投稿したことが「特定候補」を匂わせる不自然な「ツイート」だとネット上では批判がされていたりしていますが、私見を申せばあまりにも稚拙。
コロナ対応があるからとタスキも掛けず、街頭演説もしなかった小池氏とは、選挙の手法もさることながらどこか両極にある気がするのは私だけではないでしょう。
前述の通り、2人の名物都知事の上を行った小池氏におかれましては、都民からの信任のもと強いリーダーシップを発揮され、まずは目の前のコロナやオリンピックといった難題を無事に乗り越えられますこと祈念するところであります。
さて、本日は7月7日。
本来であれば「七夕」の話しでもしようかというところでありますが、全国的な雨模様に加え、何といっても一昨日の熊本、昨日は長崎、佐賀、福岡など九州地方を襲う豪雨と甚大な被害を思えば、それどころではないというのが心情であります。
熊本豪雨では既に死者49名、行方不明11名、心肺停止状態1名(6日午後7時現在)となっているほか、避難指示に関しては特別警報が出た3県なども含め計125万人となるなど、この猛烈な雨の影響の大きさが伺い知れるところであります。
とりわけ、今回特に痛ましいと感じたのは、熊本で氾濫のあった球磨川の側にあった特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者が逃げ遅れ、結果14名の方が命を奪われたこと。
高齢者施設が豪雨が襲い犠牲になるケースはこれまでも、平成21年の中国地方豪雨で山口県防府市の特養施設が土砂災害(7名死亡)、平成28年の台風10号では岩手県岩泉町の認知症グループホームが浸水被害(9名死亡)に遭っており、岩泉町での被害の後には、政府が災害の危険がある施設に「避難確保計画」策定を義務付けたものの、国土交通省によると昨年3月時点で計画を策定していたのは対象6万7901施設のうち約36%でしかないとのこと。
今回の「千寿園」は計画の策定はしていたもののこういった結果となったことを受け、さらに専門家は「避難が困難な高齢者の福祉施設の立地を見直す必要がある」と警鐘を鳴らしています。
東日本大震災の津波もそうでありましたが、確かに被害の恐れのない場所に移すのが一番であり「そりゃそうだ」とは思うものの、実際に今ある民間の資産を新規に立て直すことを義務付けたりすることは現実的ではなく理想論であるような気もします。
まずは、避難確保計画が策定されていたにも関わらず逃げ遅れが発生した「原因追及」と「検証」を急ぎ、実態に即した計画に見直していくこと、日常的な訓練を通じ実効性を高めておくことが肝要と考えるところであります。
このことは、先の6月定例会において、新型コロナを経験した上で「敦賀市新型インフルエンザ等対策行動計画」の検証、見直しは必要ないかと確認した自身の一般質問内容と意味合いがほぼ同じな訳でありますが、やはり台風や線状降水帯により、近年激しさを増すこの豪雨が日本のどこで起きてもおかしくない現状を踏まえ、大事なのは「対岸の火事」とせず、「我が身に置き換え」考え対応しておくこと。
早速、我が敦賀市においても、今回の「死」を決して無駄にしないためにも、特に高齢者施設の対応などについて現状把握に努めるとともに、この痛ましい経験が繰り返されないよう留意しなければと肝に銘じるところであります。
最後になりますが、この九州豪雨によりお亡くなりになられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、今なお避難されている方、家屋被害などに遭われた方に対しお見舞い申し上げます。
【写真は敦賀市内を流れる笙の川。河川整備のため、最も端桁の低い来迎寺橋の架け替えが行われます。】