一般質問初日。鬼気迫る医療現場の実態を共有する。

ブログ 敦賀市議会

敦賀市内でもようやくアベノマスクが届いたとの話しをチラホラ聞いておりましたが、昨夜帰宅すると我が家にも。。。
 
賛否両論のこのマスクですが、以前に菅官房長官が仰っていた通り「次に備えるため」にもしっかり保存しておきたいと思います。
 
さて、敦賀市議会は昨日、本会議を再開し一般質問の第一日目が行われました。
 
繰り返しになりますが、敦賀では新型コロナ感染防止には配慮しつつ、質問人数や質問内容を制限することなく通常通りでの一般質問形式としており、質問通告をした16名のうち、この日は6名の議員が登壇されました。
 
この一般質問の3日間というのは、出番を待つドキドキ感もありつつ、他の議員さんが取り上げる多角的なテーマに対する理事者の答弁を聞くこと自体、自身の「知」につながる時間でもあり、誤解なきよう言えば「楽しみな時間」。
 
この日も興味深く拝聴した次第です。
 
特に、自分の質問に関係する内容に関しては、一言一句聞き逃さない気持ちでメモする訳ですが、昨日ありましたのは「敦賀の医療」について。
 
3番目に登壇された立石武志議員、6番目の中野史生議員の質問に対し、米島敦賀市病院事業管理者が「今定例会で新型コロナウイルス感染に対する医療について質問される方に対しては、今回の実態を説明しておかないと理解されないであろう」との前置きの後答弁された内容は、新型コロナに対峙した責任者としての生の言葉として鬼気迫るものがありました。
 
その医療現場の実態は議場で聞いた我々だけではなく、市民の皆さんにも知ってもらうことで認識の共有が図れ、ひいては感染防止に対する意識高揚や心づもり、気持ちの備えにもつながるものと思い、以下に状況のポイントをご紹介させていただきます。
 
【県内第1波への対応実態について 〜米島敦賀市病院事業管理者の答弁より〜】
 
(これまでの実態)
◉敦賀市内で感染者ゼロに抑えられていることは、市民の皆さんのご理解とご協力の賜物であり心より感謝。
◉二州においては、2月7日に帰国者・接触者相談センターを設置。センターからつなぎ、敦賀病院では6月10日までに80の検体を採取している。
◉県内感染者のピークは、4月11日から21日までで約80名が入院。
◉嶺北の30数床の感染病床では受け入れ切れず、嶺南に搬送し受け入れ。敦賀病院では4月2日から5月9日に掛けて計5名の患者を受け入れた。
◉福井では県立病院、赤十字病院がコロナ感染者対応により、救急受け入れやICU治療が出来ない状況に陥り、救急外来の受入れ停止、救急車は済生会病院や大学病院へ搬送される事態となった。
◉二州の救急医療に関しては、年間発生数3,000件のうち、2,000件を超える救急患者が敦賀病院へ搬送(受入率は76.1%)。
◉唯一集中治療室を有している敦賀病院であるが、感染者を受け入れればあっという間に医療崩壊につながる。
 
(では今後どうするのか)
◉福井県においては、重・中・軽症合わせ感染病床として「321床」を準備。余程大きな波でない限り病床は確保されていると受け止めている。
◉感染発症の際は、県の入院コーディネートセンターが一元的に患者の搬送先を決めることとなるが、嶺南で確認された場合は、重症者は県立病院や赤十字病院(医師も沢山いるため)へ、中症以下はその他の病院へ搬送されることになるであろう。
◉こういった二州エリアの医療状況に鑑み、敦賀医療センターなど各病院と緊密に連携。
◉敦賀病院は役割として、救急医療を始めコロナ以外の通常医療を最優先することとしている(病院間での医師の応援体制等も構築)。
◉感染病床に関しては、結核病床しかなかった敦賀医療センターに6床の感染病床設置。既存の敦賀病院(2床)、小浜病院(10床)と合わせ嶺南では18の感染病床となっている。
◉敦賀病院に関しては、スペース的に感染病床の増床を行うことが困難であることに加え、院内感染を絶対に起こさないよう本館の一般病棟には感染者を入れないこととしている。
◉その代わり、敦賀医療センターに敦賀病院から医師を派遣し感染者を診ることや嶺北からの医師派遣を求めるなどにて対応することとしている。
 
(医療スタッフについて)
◉入院患者対応をされた医療関係者は、ただでさえ緊張感のある対応の中、家族感染を考慮し家に帰らずホテル泊(市が準備)を続けるなど大変なストレス環境のなか、励みになったのは市民の皆さんからのあたたかい言葉であった。心から感謝いたします。
 
以上が、答弁にありました医療実態の概要となります。
 
この機会を捉え、極力情報開示をオープンにし答弁されようとのお考えを持って、おそらく関係機関とも入念に事前調整されたであろう米島病院事業管理者に対しては、そのことで得られる効果の大きさや意味合いからも、その対応に感謝申し上げる次第であります。
 
もう多くを語ることは止めますが、これまでの調査により知っていた部分もありましたが、まさに新たな脅威に対応した壮絶な医療現場であったことを改めて把握することが出来ました。
 
そしてその脅威に対しては、さらにあらゆるリスクを想定して、より多重化、幅を持って今後に「備える」ことが重要とも感じました。
 
今日は一般質問2日目。
 
昨日と同じく自己の「知」にもつなげつつ、明日の自身の質問が深堀りの議論となるよう、こちらもしっかり「備え」たいと思います。