ギャンブル依存症に対し、急いで取組むべき「3つ」の対策

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1月9日のブログでもご紹介した「全国ギャンブル依存症家族の会福井」。
 
昨日は、敦賀市のあいあいブラザにて1月度の会が開催され、初めての参加者(ご夫婦1組)を含む約15名が集い開催されました。
 
司会の方からは、会の性質上、プライバシーに関わる部分の発信は控えるようにとの注意があったため、そうでない範囲で申し上げれば、ご家族の体験談から、お隣の滋賀県においては、家族の会の働きかけ等により、行政や各機関と以下のような関係が構築できていることを学びました。
 
◉弁護士会との連携
・ギャンブル依存症に関わる「県弁護士会研修」の開催
・安心して相談できる弁護士さんとの出会いがあったこと
◉県議会議員との懇談
・ギャンブル依存症対策の推進に関する要望書提出
◉行政・医療機関との連携
・滋賀県依存症関係機関連絡協議会への参画
・県ホームページにアディクション関係団体として掲載
・精神保健福祉センター・保健所との連携
  →依存症相談拠点の保健所と連携強化
・病院から、家族は「家族の会」に紹介
◉県ボートレース局との懇談
・公営ボートレース場を管轄する局と連携し、未然防止を図る
 
その後は2組に分かれ、車座になって「分かち合い」と称する意見交換を行いましたが、ここでも貴重な体験談、対応の実例を拝聴したところ。
 
来月以降は、2月11日(火・祝)、3月8日(土)に、いずれも13時30分より、プラザ萬象 会議室2で開催されますので、そうした懸念やお悩みをお持ちの方はぜひ参加いただきたく存じます。
 
なお、私は議員の立場として、先のような行政・関係各機関とどう連携してこの社会問題に対して取組むべきかとの課題認識をもって参加している訳ですが、「家族の会」の知人から、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子氏が書かれたコラムを紹介いただきました。
 
1月9日の「文春オンライン」に掲載されたコラムのタイトルは『ギャンブルで自殺する若者も…オンラインカジノ“無法地帯”日本がとるべき「3つの対策」とは』。
 
全文は以下リンクよりお読みいだければと思いますが、急いで行政が取り組むべき点が挙げられていました。
 
 →2025年1月9日 文春オンライン掲載のコラム(全文)はこちら
 
<以下、引用>
 
オンラインギャンブルは、当然のことながらスマホネイティブの若者の間で蔓延していく。当会の相談でもおよそ4割が20代の相談である。20代の若者は、銀行や消費者金融などで合法的に借金が出来る金額が低いため家族、友人、知人が借金問題に巻き込まれていく。また闇バイトや振り込め詐欺のような犯罪に手を出してしまう確率も非常に高い。さらには20代の若者がギャンブル問題で自殺にまで追い込まれている。
 
『行政が急いで取り組むべき「3つの対策」』
 
では、ギャンブル依存症対策には何が必要か。元依存症者の筆者の実体験からも、次の3つの対策を急いで欲しいと考えている。
 
(1)ギャンブル依存症の啓発
 まずはなんと言ってもギャンブル依存症という「病気」があり、誰でも罹患する可能性があるという基礎知識を国民全体に行き届かせることである。まだまだ病気と認知されていないために、「説教」「行動監視」「金銭管理」などで、家族がなんとかしようともがいているケースが多い。また、当事者も「もっと意志を強く持たなくては」と苦しんでいるが、こういった自己責任論では病気は回復しない。
 
(2)支援体制の強化
 ギャンブル依存症対策には医療だけでなく、闇金や詐欺集団との闘い、家庭内暴力、自殺企図などで警察の理解と連携が非常に重要である。また離婚や多重債務、詐欺や横領などの刑事事件を起こしてしまった場合は弁護士との連携、貧困問題、母子支援では行政との連携など、他機関連携がとても重要だ。省庁間連携を作り支援体制を強化し、予算も確保する必要がある。
 
(3)取り締まりの強化
 オンラインカジノに関しては殆ど無法地帯となっていたが、2024年に入ってやっと決済代行業者、アフィリエーター、YouTuberが逮捕されるようになった。今後も違法オンラインカジノ関連業者の取り締まり強化と厳罰化を進めて頂きたい。
 
同時に「オンラインカジノは違法」という啓発も若者達に広めなくてはならない。
 
 ギャンブル依存症対策は、当会のような支援団体だけでは到底行き届かない。国もギャンブル産業も待ったなしで本腰を入れて取りかかってほしい。
 
<引用終わり>
 
闇バイトや振り込め詐欺のような犯罪に加担したり、最悪の場合、自らの命を経ってしまうギャンブル依存症。
 
ギャンブルのオンライン化、高額化が一層進む中において、自己責任論で片づけるのではなく、社会全体で抜本的な対策を講じていくことが必要不可欠と強く認識する次第です。
 

【昨日の「家族の会」資料にあったチラシ。「やらざるを得ない」となる前にSTOPを!】