カッターも政治も経営も重要なのは「舵取り」

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「舵取り」とは、辞書によると、「①船を操って方向を定める人。操舵(ソウダ)手。」とあります。
 
一昨日行われた「敦賀港カッターレース」では、200メートル先にある「回頭ブイ」を折り返す計400メートルのコース設定となっており、タイムを縮めるには、息を合わせた漕ぎ手(クルー)の力もさることながら、回頭ブイに向かって最短距離でカッターを進める「舵取り」が非常に重要となります。
 
カッターレースでは、漕ぎ手6名、艇指揮1名、艇長1名の8人でチームを構成しますが、この「舵取り」役に当たるのが艇長。
 
市議会チームのレースを終え、暫し発着地点でスタートの模様を眺めていると、艇指揮の「前進用意!前!」の合図とともに、ビタッと方向を回頭ブイに定め進むチームあれば、漕ぎ出したのは良いものの、ブイとは他所の方向に進むチームもあり。
 
これがまたレースの面白さでもある訳ですが、下の写真をご覧いただく通り、漕ぎ手は回頭ブイを背にしているため、どの方向に進んでいるのか確認する術はなく、艇長(舵取り)を信じて、ただ一生懸命漕ぐのみであることがお分かりいただけるかと思います、
 

【カッターレースのワンシーン。進行方向は左で、後部に座る2名が、艇長と艇指揮。】
 
発着地点で、ちょうど隣でこのシーンを見ていた知り合いの方が、「ん〜。考えさせられるなぁ。」と一言。
 
「何がですか?」と聞くと、飲食店を経営するその方は、漕ぎ手を社員、艇長をご自身に置き換えてご覧になったようで、「社員が効率的に気持ち良く働けるか、無駄仕事をさせてしまうかは、結局、経営者次第なんだと、つくづく感じてしまいました。」と、照れ笑いを浮かべながら回答されました。
 
言葉の意味は解説不要と思いますので割愛しますが、辞書で調べた「舵取り」にはもうひとつ「②目的や方針に合わせて進むように団体・組織などを指導すること。」との意味があります。
 
企業や団体など、経営の「舵取り」とは、会社や組織の現状を把握して、向かっていくべき未来を決める経営上の意思決定を行うことを指しますが、これを見誤ると、無駄仕事どころか、最悪の場合路頭に迷うことにもなります。
 
組織が大きかろうが、小さかろうが、「舵取り」役を担う経営者にはその責任と自覚が伴うことは言うまでもありませんが、私自身もカッターレースを見て、改めてこのことを感じた次第です。
 
政治の世界に置き換えると、世界ではアメリカの大統領選挙、日本では先の東京都知事選や9月に控える自民党総裁選挙、地域では現在、同じ福井県嶺南地域の小浜市で市長選挙が行われていますが、いずれも舵取り役のリーダーを決めるもの。
 
社員を国民、都民、市民に置き換えれば、いずれも極めて重要であることは言わずもがな。
 
なお、カッターは「漕ぎ手が心を合わせ、艇を進ませる作業で、乗組員全員の共同意識が必要である。」としています。
 
舵取りに加え、いかに「全員の共同意識」(選挙で決める政治の場合は「全員」とはいかないと思いますが)を構築するかが肝要とすれば、つまりリーダーは「発信力」と「統率力」を兼ね備えることが肝要と認識する次第です。
 
本日は、カッターレース中に学んだことを備忘録的に書き留めました。
 
カッターも政治も経営も、定めた目標や理念を達成するために必要なこととして、参考になったのであれば幸いに存じます。