エネルギー基本計画見直しに向け、原子力小委員会にて福井県知事が意見提起

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定例会閉会翌日の昨日は、青空広がる気持ちの良い天気。
 
帰宅してもまだ明るく、近所のグラウンドまで桜の状況を見に行くと、「いざ出番!」と言わんばかりにつぼみは膨らみ、ピンクの花もチラホラと覗けるまでに。
 



【身近に春を感じた瞬間をご紹介します】
 
足元を見ればタンポポも顔を出し、いよいよ敦賀も春到来といった感じで、気持ちも穏やかになりました。
 
また、もうひとつの春と言えば、熱戦繰り広げられるセンバツ高校野球。
 
いよいよ本日の第3試合に地元敦賀気比高校が登場します。
 
ライブ観戦は難しいものの、勝利という春を敦賀にもたらせてくれるよう応援したいと思います。
 
さて、定例会が終わっても気を緩める間はなく、とりわけ敦賀の将来に直結するエネルギーのことについては、夏頃までの策定を目指すとされる次期「第6次エネルギー基本計画」の議論が佳境を迎えつつあり、逐次議論の動向を注視しているところです。
 
この「第6次エネルギー基本計画」に向けては、私も今定例会の代表質問の中で「半世紀に亘り原子力と共存してきた敦賀市だからこそ、国策としてのエネルギー政策は将来に亘って現実的なものであるべきとの考えのもと対応いただきたい」、「実質的な策定議論は経済産業省の総合エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会や基本政策分科会にて行われており、これに委員として直接出席される杉本福井県知事とは強い連携のもと意見反映いただきたい」旨の質問をし、渕上市長からは2点ともに力強い答弁をいただいたところであります。
 
また、最終日に議員提出議案(B議案)として可決しました「エネルギー基本計画見直しに関する意見書」に関しては、求める項目として以下3点を挙げ、今後、国や関係行政庁に意見書を提出する運びとしています。
 
1.ベースロード電源である原子力発電の将来のあり方について、国内における原子力発電所の再稼働や運転延長及び廃止措置の計画を見通した上で、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた長期的視点に立った議論を行い、新増設・リプレースを含めた原子力政策の確固たる方針を明確に示すこと。
 
2.第5次エネルギー基本計画において、敦賀エリアを原子力・エネルギーの中核的研究開発拠点として整備していくとしているが、引き続き本市を中核的研究開発拠点に位置付けその実現に向けた具体的施策を示すこと。
 
3.第5次エネルギー基本計画において、使用済燃料の安全で安定的な貯蔵が行えるよう、官民を挙げて取り組むとしているが、使用済燃料の敷地外への早期搬出に向け、国が前面に立ち、中間貯蔵施設や再処理工場の早期整備を明確に示すこと。
 
そうした状況の中、まさに22日の定例会最終日と並行して開催された、経済産業省総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(第22回)において、委員としてオンライン出席された杉本福井県知事が以下のように意見提起をされました。
 
●資料3「前回の議論の振り返り」の事務局説明後にコメントされていますので、以下リンクからもご覧ください。
 →→→原子力小委員会ネットライブ中継より
 
なお、知事は大きく2点について、次期エネルギー基本計画に盛り込むべきと国に求めておりますので、発言部分を抜粋にて記載させていただきます。
 
【以下、杉本知事発言抜粋】
 
◉まず、中長期的な立地地域の将来像の検討については、今回具体的なテーマや進め方などとともに、立地地域の将来に向けて国が主体的かつ継続的に取り組む姿勢を示していただいた。感謝を申し上げる。立地地域としても当事者として前向きな意見を申し上げていくので早急に会議を開催して、将来的な原子力をどう活用していくのか国の考えを示してしていただきながら、今後立地地域が原子力にどう関わっていくのか、また、国や事業者が地域の将来にどう関わっていくのかを具体的に議論して、地域が将来に希望をもてる計画に纏めあげていただきたいと思っている。
 
◉2点目、原子力の位置づけについて、前回の委員会では「原子力について2050年に一定規模の活用を目指す」と書いているが、現在のエネルギー基本計画では、原子力は可能な限り低減させるとされている。原子力を今後維持するのか、どこまで減らすのか、原子力の位置づけが曖昧なっていると思う。先日の福井県議会でも原子力の方向性について、再エネで全て満たせるなら原子力はいらない、満たせないなら原子力は必要というような曖昧な政府の態度に立地地域が振り回されている、という意見があった。安心して国策に協力していくためにも国の方針を明確にしていただく必要があると思う。
次のエネルギー基本計画を議論しているこの機会に、2050年に向けて安全確保を第一として、原子力をどの程度の規模でどのような方式で活用するのか、例えば既存の大型軽水炉なのか、革新的で安全性の高い小型モジュール炉なのかといった方向性を示していただきたいと考えている。
 
◉また昨日、私は40年超運転に関する県民説明会に出ていた。立地地域の住民はコロナ対応含めた広域避難計画の実効性や大阪地裁で敗訴した基準地震動などについて、特に不安を持っている。直ぐに止めるべきというような声も根強い中である。広域避難計画の進化、また、消費地が立地地域を批判するといったことがないように、国民への一層の説明が必要不可欠だと考える。
 
以上が発言内容となります。
 
まさに、敦賀市の思いや敦賀市議会の意見書の内容とも考えの一致した、国策としての位置付け、さらには現場・県民の声を踏まえた原子力立地県を代表する立場の至極真っ当な意見提起と受け止めたところです。
 
この5月にも骨子案が示されるのではなかろうかと示唆されている「第6次エネルギー基本計画」ですが、この原子力小委員会も基本政策分科会も残された議論の場は限られているとも認識するところであり、我が国のエネルギー政策の基本的考えである「S(安全を大前提に)+3E(経済性、エネルギー安全保障、環境の同時達成)」に基けば、さらには2050年カーボンニュートラルの野心的政策の実現に向けては、新増設・リプレースを含めた原子力発電の活用は必要不可欠と考えるところであり、国はこの見直しの機会を逃すことなく、現実的な政策選択を示されるよう強く期待するものであります。