2024年10月6日
「SLを磨こう!」に参加 〜C58-212の栄光と皆さまの善意を讃える〜
気持ちの良い秋晴れとなった昨日、大型観光企画「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせ、12月22日までの土日に運行するJR西日本の観光列車「はなあかり」の運行が、敦賀―城崎温泉(兵庫県豊岡市)間で始まりました。
黒褐色の車体に金色で草花文様が描かれたデザインの「はなあかり」は、内装に越前和紙など各地の工芸品が随所に飾られる豪華仕様。
敦賀駅で開かれた出発式には、豪華な車両を一目見ようと、多くの鉄道ファンらが詰めかけたようですが、10月分の切符は完売とのこと。
はなあかりが走るJR小浜線は、全通から間もなく102年を迎えます。
こうした企画を契機に、鉄道でもつながる福井県嶺南地域に多くの方が訪れることを期待する次第です。
さて、鉄道つながりで、昨日は「敦賀・鉄道と港」まちづくり実行委員会が主催する「SLを磨こう!」(SL清掃活動)に参加してきました。
この実行委員会に、自身が所属する気比史学会も参画していることから、昨年に続き参加したところですが、本町第3公園に保存されている蒸気機関車「C58-212」(昭和15年製造)は「鉄道のまち」敦賀を感じる鉄道遺産のひとつ。
昭和46年9月まで、小浜線で活躍していたこの機関車は、同線の無煙化に伴い引退になったことを機に、国鉄(当時)当局のご厚意により敦賀市に貸与され、子ども達の生きた教材として展示されることになったもの。
なお、この公園までは敦賀ライオンズクラブのご奉仕によって運搬され、昭和47年4月から展示。
私が生まれたのが昭和47年2月ですので、52年もの間、丁寧に保存されていることとなります。
こうした経過から、本町第3公園は市民から親しみを込めて、「SL公園」と呼ばれている訳ですが、昨日の清掃活動には、実行委員会に所属する各団体やスポーツ少年団(剣道関係)の子ども達らが集い、約1時間半、高圧洗浄機やブラシを用いて埃を洗い流し、周辺の草むしりを行うなど、それぞれが汗を流しました。
【清掃風景。子ども達も一生懸命磨いていました。】
また、子ども達の何人かは機関室に入り、詳しい方に説明を受けるなど、良い経験になったのではと感じました。
私も昨年参加した際、SL(C57とD51)を運転していたという国鉄OBの方とお話しする機会を得、蒸気機関車の構造や仕組み、当時の情景さながら、前が見にくい恐ろしさやスピードコントロールの難しさなど、大変貴重なお話しを伺ったことを思い返しましたが、最も印象に残っているのは、機関士の士は、武士の「士」だと仰っていたこと。
70℃にも上る機関室内で、まさに命懸けで運転に臨んでいた機関士の、使命感や心意気を改めて感じた次第です。
SLを囲むフェンスにある看板の結びにはこうあります。
「C58-212の栄光と皆さまの善意を讃え、市民こぞって感謝しながら永く大切に保存することにご協力をお願いします。」
製造された昭和15(1940)年から数えて84年。
この言葉を思いながら、「鉄道と港のまち」のシンボルでもある機関車を、また来年も磨き上げたいと思います。
【「C58-212」。84年を経てもその勇姿は変わらず。】