2025年10月25日
「間質性肺炎」との闘い
美空ひばり、八代亜紀、上岡龍太郎。
3人に共通するのは、お亡くなりになった原因が「間質性肺炎」であること。
ご承知のとおり、肺は鼻や口から吸った空気の中に含まれる酸素を血液へと取り込み、不要となった二酸化炭素を体の外に出す働きをする臓器であり、吸った空気は、肺の一番奥にある「肺胞」という場所に運ばれ、肺胞を取り囲むように流れる毛細血管との間で酸素・二酸化炭素のやり取り(ガス交換)をしています。
千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学のホームページによれば、「間質性肺炎」は肺の「間質」で起こる「炎症」を指すとし、次のように説明されています。
「間質」とはいったいどこなのか、なかなかイメージがわきにくいと思います。広い意味で「間質」とは、肺胞や気道(空気の通り道)以外の肺の組織全体を指します。つまり「間質性肺炎」は特定ひとつの病気を指すものではなく、肺で起きるさまざまな炎症性疾患を幅広く指すものなのです。間質性肺炎はその原因や病気の性質によって何十種類に細かく分類されていますが、多くは間質に炎症をおこすことで、肺胞と毛細血管の間の壁(肺胞壁)が厚く硬くなり、ガス交換ができにくくなってしまいます。

【肺炎と異なる間質性肺炎(製鉄記念八幡病院資料より引用)】
間質性肺炎の特徴的な症状としては、労作時呼吸困難(歩行など日常動作での息苦しさ)と乾性咳嗽(痰を伴わない咳)になります。原因が特定できない「特発性間質性肺炎」の場合、初期には症状はありませんが、症状は長年かけて出現・次第に進行しています。しかしながら、病状の進行の程度は人それぞれであり、進行がほとんどみられない方もいます。
※急性増悪
経過中に急激に肺胞壁の線維化が悪化することがあり、急性増悪と呼ばれます。かぜやストレスなどを契機として起きることが報告されていますが、なかには原因なく起きる場合もあります。原因不明の特発性間質性肺炎の中で最も頻度の高い特発性肺線維症の場合では、年間5-10%の方に起こるとされています。
急性増悪によって呼吸機能が一段階低下する可能性があります。速やかな対応(酸素やステロイド薬などの投与)を行わないと命に関わる事態になることがあるので注意が必要です。

【千葉大学大学院医学研究院ホームページより引用】
〈説明は以上〉
いま父が、その「間質性肺炎 急性憎悪」と闘っています。
20日の緊急入院から今日で6日。
時折襲う苦しさに耐えながら、低下する肺の機能を振り絞るかのように全身で息をする父。
生きることを決して諦めない父を、家族も同じ思いで付き添い、全力で支えます。






