2025年10月19日
「鉄道と港のまち敦賀」のルーツをご案内
気象庁の観測データによれば、昨日の敦賀の最大瞬間風速は18.1m/s(11時26分)。
強い風が吹く方向は南からでしたが、嬉しい来客は北の方から。
新幹線学と歴史の関係で以前に敦賀に来られ、意見交換したことのある青森大学付属総合研究所の方(客員研究員)が来敦。
事前にご連絡もいただき、昨日は朝からお昼過ぎまで、市内をご案内いたしました。
青森市では今年、青森港開港400年を迎え、あらためて「港(湊)」と絡めた歴史を辿るとともに、新幹線開業後の動向ということも踏まえ、ここ敦賀に調査にお越しになったとのことであり、その方のご希望も踏まえつつ、港とそれに通ずる鉄道のルーツをご案内した次第。
ご案内したのは、文化財センター建設予定地、向出山古墳(併せてホテル北国からの市内眺望)、敦賀港線跡地、(仮称)敦賀みなと公園予定地、金ヶ崎緑地、ずっと飛んで疋田舟川(愛発)、小刀根トンネル。
何が「港」に通ずるのか、ピンと来ない方もおられるかと思いますが、例えば、向出山古墳はその出土品から、平安時代より前の古墳時代から、敦賀が大陸と通ずる港を有していたことを証明するもの。
また、疋田舟川は、平清盛の時代から明治に至るまで、敦賀湾と琵琶湖を結ぶという壮大な計画があったこと、鉄道の関係は、そうした大陸に開けた国際港があったからこそ、明治政府が横浜や神戸と並び、いち早く敦賀と鉄道で結ぼうとしたことなど、そうした背景も踏まえながらご案内したところです。
なお、ご案内した場所のいくつかを以下にご紹介いたします。

【敦賀湾と琵琶湖を結ぶという壮大な計画が浮かぶ「疋田舟川」】

【現存する日本最古の鉄道トンネル「小刀根トンネル」。中を歩けば、蒸気機関車の時代にタイムスリップ。】
なお、昨日はグッドタイミングでクルーズ船「シーボーン・クエスト」が寄港。
しかも、金ヶ崎側の岸壁ということもあって、良きロケーションになったところです。

【金ヶ崎緑地からの眺め】

【人道の港敦賀ムゼウムとの風景は、さながら明治から昭和初期の情景が浮かぶもの】
なお、浮かぶ情景とはこちら(金ヶ崎桟橋と税関の絵葉書:敦賀市立博物館所蔵)。

ちなみに、(仮称)敦賀みなと公園のパース図もお見せしながら、この公園に来れば、上記のような情景が浮かぶ場所にしたいのだと、自身の考えをお伝えしたところ、その方からも大いに共感を得たところであり、やはり歴史的視点からも重要なことであると認識できた次第です。
途中、お昼を挟みながら、約4時間ご案内…というより、私の「自慢スポット」にお付き合いいただいた形になってしまった訳ですが、車中では青森市と敦賀市それぞれの歴史や、現在の状況や課題など多くの意見交換もでき、私自身、大変有意義な時間になった次第です。
最後は敦賀駅前ottaまでお送りし、お別れしましたが、今日まで敦賀に滞在され調査を続けた後、青森に戻り、最終年度となるレポートの取りまとめ、編集に入られるとのことでした。
こうして新幹線開業と港を通じてつながる、「人」と「まち」との関係。
今回ご案内してあらためて、古より海陸の要衝であることを意味する「鉄道と港のまち敦賀」の特徴であり、強みは、「つながり」を大切にしながら発展することと認識した次第です。
結びに、拙い知識の私を頼りに連絡をいただいたことに感謝するとともに、歴史を生かしたまちづくりにより、青森市が今後ますます発展されますこと祈念申し上げます。






