2024年7月26日
「敦賀2号審査会合」と「上下水道施設見学会」
人間の生活に欠かせないものと言えば「水」と「電気」であることは万人共通かと思いますが、ここ敦賀とも大きく関係することで、まず「電気」に関して注目すべきは、本日開催される原子力規制委員会の新規制基準に係る審査会合(第1272回)。
ここで議題2として挙げられているのが「日本原子力発電(株)敦賀発電所2号炉の敷地内のD-1トレンチ内に認められるK断層の連続性について」。
本件に関しては、7月24日のブログでご紹介した通り、政治家や複数の有識者から「違和感あり」の声が挙がっている一方、あたかも日本原電の負け戦のような報道がされていますが、私自身、今日で結論付けられるとは微塵も思っていません。
活動性に関しては、「可能性を否定できない」のであれば、データを拡充するため、事業者が申し出ている追加調査を確認すべきだと思いますし、「これで最後」と仰る現申請書についても、審査の過程で必要になったものがあるのであれば、再補正することは至って健全なプロセスと考えるところです(あくまでも私見です)。
また、24日に行われた原子力規制委員会の定例会見で、「悪魔の証明」について問われた山中委員長は、「非常に証明が困難で時間がかかったサイトもあるが、丁寧に評価をしていけば、事業者はキッチリとそれを証明することができるという問題なので、あくまでもこれは悪魔の証明ではないという、私はそういう見解です。」と述べています。
その言葉に沿えば、「丁寧に評価をする機会」を排除することのなきよう対応いただきたいと思いますし、何より原子力規制委員会自らが掲げる「活動原則」、
「(1)独立した意思決定」として「何ものにもとらわれず、科学的・技術的な見地から、独立して意思決定を行う。」
「(3)透明で開かれた組織」では、「国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める。」
に基づく姿勢と規制行政をお願いする次第です。
審査会合は以下のリンク(YouTube)よりご覧になれます。
規制側と事業者のコミュニケーションが取れた「違和感」を感じない審査になっているのか否か、より多くの方にご覧いただけますようお願いいたします。
→原子力規制委員会「第1272回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合(2024年07月26日)」はこちらから
続いて「水」に関しては昨日午後、敦賀市水道部主催の「上下水道施設見学会(市議会議員対象)」に出席。
出席は任意であるものの、4名ほどを除き出席ということで関心の高さを感じたところですが、天筒浄化センターに集合した後、①水道、②下水道、③上下水道事業の経営状況の3部構成で事業概要説明。
敦賀市の水道事業、下水道事業は、病院事業と並ぶ、地方公共団体が行う「地方公営企業」であり、独立採算を原則とし、事業ごとに経営していますが、水道に関しては、第8次拡張事業(平成20年3月31日)をもって拡張事業を完了し、現在は施設の老朽化(既に更新時期に入っている)や耐震化を進めるものの、人口減少に伴う収入源や職員の減少、高齢化などの課題が挙げられる状況にあります。
下水道事業については、令和4年度末整備状況で汚水処理普及率95.1%(公共下水道では88.3%)となっており、未普及地域(残り約3,000人)の早期解消を図るべく検討を進めるほか、課題に関しては水道と類似した状況であるとのこと。
なお、下水道では、少ない人材リソースの中で事業を継続するため、様々な関連業務を包括的に委託する「包括的業務委託」について検討を進めており、本年6月には、いわゆる「ウォーターPPP」と呼ばれる国土交通省「下水道分野のPPP/PFI(官民連携)」のモデル都市(令和6年は全国で20都市)に選定されたところ。
経営状況説明では、受益者負担の原則のもと、急速に進む人口減少下で料金収入が減少していることや、国からの財源措置も減るなか中にあっても「将来に亘って安定的に事業を継続する」ため、今年度は「経営検討委員会」を設置し、上下水道事業計画の改定及び経営について検討を行うとしています。
その後は、下水事業として、天筒浄化センターと松島ポンプ場、上水道として昭和浄水場の各施設をご案内いただきました。
どの施設においても、大変丁寧で分かりやすい説明をいただき、設備や業務内容まで把握できた次第です。
【天筒浄化センターの反応槽、最終沈殿池エリア。この下で沈殿、ろ過が繰り返される。】
【下水処理された水はここまでの透過度に。】
【豪雨時など、二夜の川の水位に応じ運転される「松島ポンプ場」。手前に除塵機、その奥にポンプあり。】
お忙しい中ご対応いただいた、山田部長をはじめ、水道部の皆様に感謝申し上げます。
これまでの取組みはもとより、昨日ご対応いただいて改めて感じたのは、職員の皆さんの「敦賀の上下水道を守り抜く!」との気概と誇り。
上水道では、敦賀の自慢の「美味しい水」を、下水道では安全安心の市民の暮らしを守るため、今後とも宜しくお願いいたします。