「変節の名手」に「納得と共感」は得られるのか

ブログ 政治

15日公示、27日投開票の日程で行われる予定の衆議院解散総選挙。
 
令和6年能登半島地震や豪雨で、投票所となる建物が被災したり避難所として使用されている輪島市や珠洲市では、これまでの投票所の集約などの対応が必要となる可能性もあり、投票行動への影響が大いに懸念されるところ。
 
そうしたなか、2日には自民党の小泉進次郎・選対委員長が珠洲市や能登町を視察し、被災地支援を優先的に行う考えを示した上で、災害の爪痕が残る中での早急な解散、総選挙への批判に対しては、「被災をされている状況の中でも選挙の体制が整うように、行政の皆さんに対する我々のサポートは何が必要か、しっかりと現場からの声を政府にも届けたい」と述べたとのこと。
 
このタイミングで、人気の高い小泉氏を被災地に送り込むことがどうも、「選挙目当て」としか思えないのは私の考えがひねくれているのでしょうか。
 
一方、石破首相に関しては、一昨日のブログで、総裁選の最中は「野党としっかり議論してから解散すべき」と言っていたのに対し、この早期解散の対応に、言ってることとやってることが違うと述べましたが、昨日は何と、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めたとのこと。
 
都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認めるとありましたが、この公認問題に関しても石破首相は総裁選の中で、「ふさわしい候補者か、党として責任を持たなければならない」とし、公認しない可能性も示唆していたところ。
 
「時間がない」から公認せざるを得ないとしていますが、そもそも「時間がない」状況を作ったのはご自身であり、解散を急いでおいて時間がないとする自己矛盾のおかしさは誰もが分かるところ。
 
政治への信頼を根底から揺るがしたこの問題に対して、トップの考えがこれほど変わってしまっては、自民党が選挙で政治改革を唱えれど、政治とカネの問題を解決できる見込みは極めて低いと言わざるを得ません。
 
また、「変わった」のは経済政策。
 
アベノミクスを批判し、金融の正常化が必要だと主張していた石破首相ですが、総理・総裁になった途端、「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と発言。
 
この発言を受けて円安、株価上昇となっていることは良いとして、重要な経済政策のスタンスがこれだけ変わった理由をお聞きしたいところです。
 
こうして「変わった」石破首相を、国民民主党の玉木雄一郎代表は「flip-flopping(変節)の名手」であると。
 
他党でありながら正直私も、自民党の中でアウトロー的存在であった石破氏に期待をしたことも事実ですが、以下の玉木代表のXポストがまさに同じ心境を語っています(たびたびのXポスト引用で恐縮です)。
 
<以下、玉木代表のXポスト>
 
「納得と共感」
 
まさに多くの人が石破さんに期待したものだったし、少なからず私も期待していた。それなのに、
 
「議論を尽くしてから国民に信を問う。」
 
総裁選でも明言したこの前言を撤回して、予算委員会もやらずに、即、解散総選挙とは、失望を禁じ得ない。
 
自分たちの選挙を有利に進めたい自民党の議員たちの「納得と共感」は得られるだろうが、これでは、国民の納得も共感は得られない。
 
政治不信の払拭を期待されて登場した新政権が、新たな政治不信を生み出してどうするのか。憤りを感じる。
 
信頼がなければ、難しい政策なんて進められるわけがない。
 
昨日、新橋駅SL広場前の街頭演説会には自民党を辞めたという人が何人も来ていて、話しかけてきてくれた。
 
日本の未来を憂い、行き場のない思いを抱いている人も増えているように思う。そんな方々の期待にも応えられる存在になれるよう、国民民主党はがんばります。
 
自分の選挙のことばっかり考えて、国民のことは後回し。自民党に限らず、与野党の、そんな自己保身ばかり見せつけられてきたから、政治への信頼が失われてきたのではないか。
 
国民民主党は、
「選挙を政治家の就職活動にしない」
そう誓って発足した。
 
日本の政治を変えていくため、国民民主党に力を貸してください。
 
国会の中で、より影響力を発揮できる存在となれるよう全力で戦ってまいります。
 
あなたの力が必要です。
 

【新橋駅SL広場前の街頭演説会で訴える玉木代表】
 
<引用終わり>
 
「政治屋は次の選挙を考え、政治家は次の時代のことを考える。」
 
誰が「政治屋」で、誰が「政治家」か。
 
選ぶのは国民(有権者)の皆さんであり、来る解散総選挙ではしっかりと見極めていただかなくてはなりません。