2024年11月6日
「地域における少子化問題」と「ハラスメント」について学ぶ
3連休明けの昨日は週頭街宣。
衆院選の後、国民民主党がメディアで取り上げられる機会が増えているからか、会釈やお手振りなどでリアクションいただける方も増えているような。
街頭では、同党の政策を中心にお話ししましたが、こうした活動の目的の一番は政治に関心を持っていただくこと。
反応の多い少ないに関わらず、停車の間に何かワンフレーズでも耳に残るよう、演説も工夫のうえ続けていく所存です。
【自転車で通過する高校生との挨拶も爽やかでした。】
さて、敦賀市議会では昨日午後、2件の研修会を開催。
まず、年に一度開催している議会議員研修では、事前にテーマ選定をした上で、今年度は「地域における少子化問題にどう向き合うか」と題し、立命館大学産業社会学部教授の筒井淳也氏より講義いただきました。
(以下、ポイントのみ記載)
◉福井県の出生率は、全国的に見ると「踏みとどまっている」状態。
◉福井県内自治体の年齢別人口性比(女性に対して男性がどれだけいるか)では、敦賀市は性比(20代後半)1.24。同程度規模の自治体に比べると男性余り、女性不足の傾向にある。ちなみに、高浜町2.23、美浜町1.57、おおい町1.81で「男余り」が顕著。原子力発電所の影響と推定。
◉地域からの女性流出による男性余りが出生率低下圧力になる←女性にいかに残ってもらえるか。
◉普段の出会いが結婚につながるとし「通婚圏」の認識を持つことが大事。
◉結婚→出産が成立するには、「通婚圏」での男女のバランスが必要。若者がどこに住むかは、仕事のありなしで決まる。
◉「少子化」の課題は地域によりさまざま。都心部、都市郊外部、非都市部に分類して考えることが肝要。
◉非都市部では、例えば駅前にマンション建設したところは「踏みとどまって」いる。共働きのしやすさからと言える。
◉80年代までの「ニュータウン型」開発は衰退しており、生活(居住)コストを抑えた駅前型開発の余地があるかが鍵。
◉非都市部への仕事の分散は、現状では製造業(発電所も)が強く、将来の可能性としてはリモートワーク(非都市部に住みながら都市部企業に雇用される)に依存(一発逆転としては、これぐらいしかない)。
◉出生の条件の「前提」は「仕事」があることとした上で、以下の順序付けで考えることが肝要。
1.地域(通勤圏内)に安定した仕事・雇用があること
2.住居・生活コストが高くないこと
3.その上で、子育てがしやすいこと
◉よく言われる自治体間移住(自治体間競争)は、出生率を上げることはあるが、下げることは考えにくいので問題になることはない。
◉バランスの取れた少子化対策は、①未婚者を視野に入れた政策、②子育て世帯への支援、③少子化を前提とした政策をサークルとして結びつけること。※①②③に序列はなし
◉政治家は口に出さないが、少子化問題は「撤退戦」。縮小していくことを前提に「撤退戦」をどう展開していくかが重要。
また、続いて開催した「ハラスメント研修」は、先の9月定例会での「敦賀市議会ハラスメント防止条例」審議結果を踏まえ、議会運営委員会において今後の取組みを協議する中で、まずは議員各位の認識共有、意識の高揚を図るべく研修を行うことを決定。
その上で、昨日は、以下2件の動画視聴により研修を実施しました。
1.「政治分野におけるハラスメントの防止について」
政治分野におけるハラスメント防止研修機材(内閣府男女平等参画局作成)
2.「議員のためのハラスメント防止研修」
全国市議会議長会作成(講師:一般社団法人 公務員研修協会 代表理事 高嶋直人氏)
とりわけ、2.の研修では、議員は「全体の奉仕者」(憲法15条の公務員には議員も含まれる)、公務員(地方議会議員は特別職の地方公務員)としての自覚、厳しい議論と人格否定は違うなど、「議員に求められるコンプライアンス」の話に始まり、次の項目についてご教授いただきました。
◉公務員に高い倫理観が求められる理由
◉役所と民間の違い
◉コンプライアンスとは
◉公務員に特化したハラスメント防止対策が必要
◉パワハラの基本知識
◉公務員のパワハラの定義と該当する言動(事例1〜7)
◉見落としがちなパワハラ発生要因
◉パワハラをする人のタイプと対応策
◉ジェンダーハラスメントとは
◉全国地方議会の動き
詳細は割愛しますが、何より先に立つのは、先に述べた「全体の奉仕者」としての「高い倫理観」を持つこと。
このことは「敦賀市議会政治倫理条例」にも謳われていることでもあり、今さら言うまでもないことですが、改めてこのことを肝に銘じるとともに、ご教授いただいたことを常に念頭に置き、自身の行動・言動を徹底する所存です。
こうして昨日は、私にとっても、おそらく議員各位にとっても、大変内容の濃い、有意義かつ今後の糧となる研修となりました。
“知って行なわざれば知らぬことと同じなり”
「知行合一」の教えに従い、得た知識、学びを生かしていかねばなりません。