2025年8月18日
「力による現状変更」を容認するのか
世界が注目した、ロシアによるウクライナ侵略後初となる米露首脳会談。
報道機関によって捉え方は微妙に異なるものの、勝者はプーチン大統領だと明確に報じたのは朝日新聞。
同新聞の記事では、「笑顔で握手するロシアのプーチン大統領と、厳しい表情で応じるトランプ米大統領」との表現で、「平和の追求」との文字を背景にした共同記者会見で2人が見せた表情は、世界が注目した会談の「勝者」を物語っていた。
記事は続き、首脳会談の冒頭でトランプ氏の表情は一変し、口数も減った。会談時間は予想よりかなり短く、見せ場のはずの会見では質問も受け付けなかった。マスコミ対応を好むトランプ氏には異例で、具体的な進展がないことに落胆したかのように、先にプーチン氏に発言させる間はほとんど視線を宙に浮かせていたとありました。

【米アラスカ州でプーチン大統領を迎え入れるトランプ大統領(朝日新聞デジタルより引用)】
会談では結果して、ウ露即時停戦で合意できず、具体的な和平協議の進展を示せなかった訳ですが、驚くことに、その後の米報道によると、トランプ氏は米露首脳会談後、ウクライナが東部2州をロシアに明け渡せば、すみやかな和平合意が可能だという認識を提示したとのこと。
これを受け、ロシアが停戦に応じない場合、対露制裁を強化すべきという立場の欧州と米国とのずれが浮き彫りになっているところ。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は17日、18日に米ワシントンで行われる米ウクライナ首脳会談に、欧州首脳も同席するとSNSで発表しましたが、トランプ米大統領がロシアの領土要求の受け入れに傾くのを牽制するのが狙いであることは当然のことかと考える次第です。
ウクライナの和平は「欧州の安全保障にとっても重要」であることは言うまでもないものの、領土と引き換えに話が進められては元も子もないと私も思うところですが、次の会談でどうなるか。
一方、トランプ米大統領は対日戦争勝利80年に際して14日付、ホワイトハウス公式サイトで談話を公開。
連合国の勝利で「世界は破壊と圧政という抑圧的な魔の手から逃れることができた」と述べ、米兵の勇気と献身をたたえたほか、
対日開戦の経緯を示しつつも、日本は現在、「太平洋における米国の最強の同盟国となり、新たな全体主義体制とその覇権拡大の野望に立ち向かう5万人以上の米軍部隊を受け入れている」と評価。
「平和は決して約束されるものではなく、犠牲によって獲得し力により守られる」として、「力による平和を実現する外交政策を堅持する」と表明しました。
結びの言葉と現在置かれているウ露の関係を重ね合わせると、トランプ氏の本心はどこにあるのか。
もしや「力による現状変更」を容認する立場なのであれば、また悲惨な歴史は繰り返されるばかり。
同じく、ロシアとの領土問題を抱える日本も、口をつぐんでばかりいてはいけないと思う次第です。






