「一強」と切磋琢磨するライバルとは

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相手が自分の技量をはるかに超えていて、とても取り組めない状況を「歯が立たない」と言いますが、プロ野球日本シリーズはまさにそんな結果となりました。
 
ここまでソフトバンクの3連勝で優勝に王手をかけたSMBC日本シリーズ2020は25日、ペイペイドームで第4戦が行われ、ソフトバンクが巨人を4-1で下して4年連続11度目の日本一を決めました。
 
この日は、オーダーを組み替えた巨人が、初回に若林・坂本の連続安打で鮮やかに先制点を奪うも、その裏ソフトバンクは柳田の豪快な2ランホームランであっさり逆転。
 
その後も2点を追加したソフトバンクは強力な継投で危なげなく勝利し、優勝へ。
 
昨年の日本シリーズも同じく巨人に4タテしたソフトバンクはこれでシリーズ12連勝という圧倒的な強さであり、まさに「歯が立たない」という言葉がピッタリな訳であります。
 
私から見るとこのソフトバンクというチームは、個性が強く、豪放に見えつつ、一人ひとりが与えられた役割を徹底してこなす、言わば「野武士集団」のイメージな訳ですが、その野武士集団の猛者の中で最高殊勲選手に選ばれたのは、栗原陵矢選手。
 
流れを一気にソフトバンクに持ってきた初戦では、先制ホームランを含む4打点を叩き出し「栗原劇場」と称され、シリーズ通算7安打、打率5割の数字を見れば、誰しも文句のないところでしょう。
 
この栗原選手、実は福井県の春江工業高校(現坂井高校)出身で2015年にドラフト2位でソフトバンクに入団した24歳。
 
高校時代は捕手でしたが、現在は強打の外野手として一軍に定着しており、公立高校からプロ入りし、野武士集団の中で一際優しそうな笑顔を浮かべる姿は「若武者」な訳ですが、そこから想像つかぬ豪打を放つ存在感は、福井県出身ということとも相俟って自然と応援したくなるものであり、最高殊勲選手の獲得にも大きな拍手を送りたいと思います。
 
2年連続勝ち星なしで終えた巨人ですが、過去には言わずと知れた川上監督時代のV9など、プロ野球界における元祖「歯が立たない」存在は巨人。
 
この存在があったからこそ、「打倒巨人」を合言葉に他球団が切磋琢磨をし、プロ野球界全体のレベルを向上させてきた歴史があります。
 
歴史は繰り返され、来年もソフトバンクの連続日本一が続くのか。
 
奢りや慢心あらば即衰退の道を辿るのはプロの厳しさであり世の常。
 
「一強」と言い換え、重ね合わせると思い浮かべるのは政治の世界ですが、こちらは季節外れの「桜開花」。
 
野球と政治を結び付けるのはやや強引かも知れませんが、「一強」を倒すためには、切磋琢磨できる関係のライバルが必要不可欠。
 
政治の世界では、その良きライバルとはどこになるのか。
 
臨時国会も佳境に入ってきておりますが、論戦を通じ我々がしっかりと見極めていくこと(どの政党のファンになるか)も大事なことであるため、引き続き注視をしていきたいと思います。
 

【何故か妻の実家にあった栗原選手が甲子園に出場した際の初々しい写真。「若武者」に育った栗原劇場の第1戦の記事とともに】