「ギャンブル等依存症対策基本法」の理念を念頭に

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「この法律は、ギャンブル等依存症がギャンブル等依存症である者等及びその家族の日常生活又は社会生活に支障を生じさせるものであり、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせていることに鑑み、ギャンブル等依存症対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、ギャンブル等依存症対策の基本となる事項を定めること等により、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民の健全な生活の確保を図るとともに、国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。」
 
これは、平成30年10月5日に施行された「ギャンブル等依存症対策基本法」の第一条(目的)。
 
同法第五条(国の責務)では、「国は、第三条の基本理念にのっとり、ギャンブル等依存症対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。」、続く第六条(地方公共団体の責務)には「地方公共団体は、第三条の基本理念にのっとり、ギャンブル等依存症対策に関し、国との連携を図りつつ、その地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」とあります。
 
また、第八条(国民の責務)では「国民は、ギャンブル等依存症問題(ギャンブル等依存症及びこれに関連して生ずる多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の問題をいう。以下同じ。)に関する関心と理解を深め、ギャンブル等依存症の予防等に必要な注意を払うよう努めなければならない。」。
 
第三章 基本的施策の第十四条(教育の振興等)においては、「国及び地方公共団体は、国民がギャンブル等依存症問題に関する関心と理解を深め、ギャンブル等依存症の予防等に必要な注意を払うことができるよう、家庭、学校、職場、地域その他の様々な場におけるギャンブル等依存症問題に関する教育及び学習の振興並びに広報活動等を通じたギャンブル等依存症問題に関する知識の普及のために必要な施策を講ずるものとする。」とあり、ここだけ見ても、この社会問題に対し、国民皆で関心と理解を深め、対策に“取り組まねばならない”ことが、国の意思として定められていることが分かるところ。
 
 →「ギャンブル等依存症対策基本法」全文はこちら
 
なお昨今、犯罪にまでつながるなど社会問題化しているオンラインカジノ対策を進めるため、カジノサイトの開設の禁止などを盛り込んだ「ギャンブル依存症対策基本法」の改正案が既に衆議院で可決しており、改正案は、今国会で成立する運びとなっていることも申し添えておきます。
 
こうした背景や、自身が「全国ギャンブル依存症問題家族の会 福井」の活動に参加する中で知った、実際に敦賀でも、悩み、苦しんでいる当事者、ご家族がいらっしゃることや肌で感じたことを、まさに明日からはじまる一般質問の中で意見することとしています(登壇は、11日(水)の午後になろうかと)。
 
なお、「ギャンブル依存症対策について」の項目で、既に発言通告している質問の主な内容は次のとおりです(以下、質問抜粋)。
 
Q:ギャンブル依存症に関する同じような悩みを経験した家族同士が出会い、正しい知識と適切な対応を学ぶことで、問題を乗り越えることを目的に活動している「NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会」(福井は全国で42番目で敦賀市に設置)との連携体制と構築している例があります。市には、当事者への直接的な対応を求めるのではなく、対応の円滑化や実効性ある解決策を講じることに「つなぐ」役割をお願いしたいと存じますが、お考えをお伺いします。
 
Q:その上で、当事者・家族の方にとって、行政の窓口がファーストコンタクトの役割を果たしていただくためには、市職員の皆さんにまず正しい知識をもっていただくことが肝要であり、「家族の会」の方などを講師とした研修会を開催してはと存じますが、お考えをお伺いします。
 
Q:ギャンブル依存症は「回復可能な病気」であり、誰でも罹患する可能性があるという基礎知識を広く皆が知っていることが重要であり、関連するポスターの公営施設への掲示、民間量販店への掲示協力、「広報つるが」やHP等を通じた、行政としての継続的な啓発活動実施を求めますが、お考えをお伺いします。
 
Q:オンラインカジノなど、問題の若年層化が顕著であることを踏まえ、今後は市内の中・高生・保護者に対してギャンブルや依存症のことを説明しておくことで未然防止につながると考えます。将来のある若者、国や地域にとって財産ともいえる若者を守るためにぜひ取り組んでいただきたく存じますが、お考えをお伺いします。
 
これまでも活動をご紹介している、前述の「全国ギャンブル依存症問題家族の会 福井」においては、昨年12月に敦賀で組織を立ち上げて以降、毎月継続して活動をされており、今月が14日(土)、以降、7月・8月の開催予定も決まっているところ。
 
基本法にあるよう、重要なのは、この問題の解決に向けては国・地域ぐるみで取り組むこと。
 

【「全国ギャンブル依存症問題家族の会 福井」の開催チラシ】
 
「家族の会」に関しては当事者・家族に限らず、広く参加いいただけますので、皆様におかれましてはぜひ、「人ごと」と思わず、足を運んでいただけますようお願いいたします。